メイドインチャイナの一部は中国で販売されておらず、一連の高品質商品は国内市場の発展段階に制約されて価格が高すぎ、国内市場ではほとんど売れない。
上海市浦東新区で農産品メーカーを営む孫偉さんは、「企業が商品を売るとき、売れ行きが好調で、高く売れ、販売のペースが速いところがあれば、企業はそこに行く」と話す。孫さんの会社が生産する一連の高品質農産品は、コストや価格といった要因の影響により、国際市場で売られるものの方が多い。一部の商品は国内で生産しながら、海外で販売され、企業は「需要によって供給を決める」というバランスの取り方をしている。河北省唐山市のスマート便座メーカーの責任者の楊波さんは、「中国人観光客が日本で争ってスマート便座を買うようになるまで、中国ではスマート便座を使っている人は少数だったし、その存在を知らない人もかなりたくさんいて、店にあるスマート便座はすぐに買えるようなものではなかった。また海外ブランドの便座は国内で大規模に商品を提供する土台を備えていなかった。日本での『爆買い』が報道されるようになると、中国人のスマート便座ニーズが隠れたものからはっきりとしたものに変わり、国内のスマート便座は種類が徐々に豊富になっていった」と振り返る。
「一連の高級製品が中国に入ってこない」のは、中国の関連産業の全体的な供給水準がそれほど高くないからだ。
広東省東莞市のスピーカーメーカーの責任者・孫明さんは、「販売戦略を制定する際、ターゲット市場の既存の供給水準が非常に重要になる。ある市場で、企業がコスト50元(1元は約16.6円)でライバルに勝とうとするなら、その企業は60元のコストはかけないだろうし、51元でも出そうとは思わない。中国スピーカー産業はスタートが遅く、有名ブランドが少ないので、一連の国際的ブランドの中級・低級製品が中国に進出し、販売で優位を占め続け、十分な利益を上げている。そして高級シリーズ製品の販売にはあまり熱心ではない」と話す。
江蘇省揚州市の玩具メーカーの郭文さんは、「国内で販売される製品の品質は割引されており、企業はこれで経営のつじつまを合わせている。企業が海外販売製品と国内販売製品を製造する際、方針を決定する要因には大きな違いがある。布製ぬいぐるみペンケースの場合、製造コストに合理的な利潤を加算すれば、出荷価格は4~5元になる。海外ブランドの委託を受けた製造であれば、ブランド側は出荷時に製品が高い基準を満たしていることを要求するのが一般的で、基準を踏まえて生産を進める。国内の取り次ぎ業者の委託を受けた製造であれば、業者側は価格に注目することが多く、価格に基づいて生産を行う。価格が王様であり、品質を犠牲にすることもあり、原材料や裁断などのレベルが下がることもある」と話す。
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