前出の科学界のリーダーたちは、日本の研究状況の将来にも大きな懸念を抱くという。日本の科学技術振興機構(JST)の濵口道成理事長は、「人口の高齢化により、国内の労働力が科学、技術、革新の歩みについていけなくなっている。政府は早急に政策を制定し、女性と外国人がより多く科学研究分野に参入するよう奨励するとともに、博士課程の大学院生を増やすべきだ。大学院生の数は03年以降で18%減少した」と述べた。
科学研究分野で活躍したいと考える学生たちも、卒業すれば失業者になること、科学研究はそれほどよい選択ではないことに気づいている。若い科学者は研究環境の整った大学や国立の研究機関にとどまりたい、安心して研究に専念したいと考えるが、現実はそう甘くない。予算の削減により日本の多くの大学では、終身雇用の研究ポストが姿を消し、若い研究者が定年まで勤められるポストを手に入れる可能性はますます低くなった。07年から13年の間に、短期間の共同研究で採用される准教授は2倍以上増えた。
16年にノーベル生理学・医学賞を受賞した大隅良典氏も、「若い研究者の現在の境遇は日本が将来ノーベル賞を受賞する確率を引き下げるものでもある」と警告した。21世紀に入ってから、日本のノーベル賞受賞者数は米国に次ぐ世界2位だが、大隅氏は、「この記録は維持できないだろう」と予想した。(編集KS)
「人民網日本語版」2017年11月10日
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