上海対外経貿大学日本経済研究センターの陳子雷センター長(全国日本経済学会副会長)は、「日本企業には『大きな問題を小さく食い止め、小さな問題を解消する』という潜在的ルールが欠けている。企業の欠陥を公表する人は巨大な圧力を受けていることが多い。そこで上の人の顔色をうかがって暗黙の了解を得、『内部消化』という方法で『それほど深刻でない問題』を処理するのが、中~低クラスの社員から一種の合理的な選択とみなされるようになる。これは一つの側面から、市場モデルに従うよりも政治的立場などさまざまな利益のバランスを重視するという日本企業の経営の実態を映し出している。家族的な管理を行うため市場のニーズに基づいて迅速な調整を行うことが難しくなり、グローバル化時代の千変万化する経営局面と大きくずれていく」と指摘する。
陳センター長は、「『団塊の世代』は1960年代中期に日本経済の飛躍をもたらした主力とみなされているが、今の日本は少子高齢化の問題に直面し、これに企業文化、経営管理モデル、社員の構造、雇用制度の変化といった総合的要因が加わり、今まで光の輪の中で隠れて見えなかった問題が徐々に表面化している」と説明する。
呉研究員は、「日本企業の不祥事は一種の集団的現象であり、安倍晋三首相に対する警告だ。『アベノミクス』が行われてから数年、日本の株式支持王は25年ぶりの高値を記録し、円相場は値下がりして輸出企業に利益をもたらしたが、日本企業が内部にため込んだ200兆円を超える資金を直接投資に回そうとしないこと、社員の給料を上げようとしないことが大きな問題だ。これは安倍政権がもたらした悪い結果だとある程度言える。表面的な経済データの好調さだけを重視して、一連の経済の深層レベルを表す指標、たとえば第一線の正社員率や職業技能訓練への投資などは軽視しているのだ。こうした問題が日本の製造業のモデル転換期における苦境や『再興』の足踏み状態をさらに長引かせる可能性がある」との見方を示す。(編集KS)
「人民網日本語版」2017年11月28日
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