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日本の人気作品の中国版が酷評を浴びるワケは? (2)

人民網日本語版 2017年12月05日09:14

日本の作品のリメイク版製作は諸刃の剣

実際には、日本、米国、または中国国内の作品であっても、人気小説などを映画化するのには、リスクとチャンスが共存している。リメイクは諸刃の剣で、メリットもあれば、デメリットもある。メリットは、原作がすでに名作でブランド化しており、リメイク版などを製作すると注目を受けやすく、オリジナル作品の制作と比べると宣伝コストを抑えることができる点だ。一方、デメリットは、原作が人気作品であるため、見る人はそれに対するイメージが強く、公平に判断するのが難しく、リメイク版に対する要求が高くなってしまう点だ。

また、中国のリメイク作品のほとんどが「投機的」に製作され、製作者は、名作に対する敬意の念が欠けている。初めから名作をもう一度作ろうという気持ちがなく、「金儲け」のためだけの製作になっている。これまでに公開された日本の作品を原作とする映画はいずれも、そのような間違いを犯しているため、酷評を浴びても決して不思議ではない。

「家族はつらいよ」が人気にならなかったのも、製作者の姿勢と密接な関係がある。同作品には、「これはリメイクではなく、翻訳だ」と突っ込む声が寄せられた。その理由は、中国の文化を全く考慮せずに、原作映画をそのままコピーし、ショートメッセージを電話に、居酒屋を爆肚(牛や羊のセンマイ料理)の店に、鰻丼を北京ダックに変えただけだったからだ。

「家族はつらいよ」の失敗の理由が「完全コピー」であれば、「追捕」の失敗の理由は「完全リメイク」だろう。俳優・故高倉健に敬意を示して、「君よ憤怒の河を渉れ」(1976)の原作小説を再び映画化した「追捕」は、主人公の杜丘と真由美の名前が残っている以外のほとんどの内容が変わってしまっている。杜丘の仕事は検察官から国際弁護士に変わり、杜丘が罠にかけられて逮捕されるというストーリーは、指名手配された殺人犯に変えられた。71歳の呉監督が「追捕」を一生懸命製作したことには敬意を示すべきだが、全体的に見ると、高倉健に敬意を示す作品というよりは、「喋血双雄(The Killer)」や「男たちの挽歌(原題:英雄本色)」などの人気作品を製作した呉監督自身の輝かしい経歴に「花を添える」ための作品となっている。


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