日本作品のリメイクの難しさ セリフを一言一句変えるのにも確認必要
実際には、日本の人気作品のリメイク版を作る際に最も難しいのが、原作の中心的価値をいかに中国という土壌に持ち込み、中国人が共感を覚えることができるようにするかという点だ。中国と日本の文化は似ているものの、実際にはその内在的要素は大きく異なるため、肌や髪の色が同じだからといって、リメイク版の製作が容易になるわけでは決してない。
その他、日本側は著作権の管理を徹底して行っており、そのレベルは中国の映画業界の想定外である場合もある。呉監督の「追捕」の場合、「君よ憤怒の河を渉れ」のリメイク版製作権を断固として譲ってもらえず、中国の製作チームはその原作となった小説の映画化の権利を購入するしかなかった。中国版「容疑者Xの献身」の脚本を手掛けた黄海も、「日本は出版物に対する管理がとても厳格で、さまざまな権利を譲ることに非常に慎重な姿勢を示す。私が知っている限り、『容疑者Xの献身身』のリメイク版を製作する際、カギとなるストーリー、セリフの一言一句を変える場合でも、東野圭吾本人の書面でのサインが必要だった」と明かしている。
東野圭吾も、日本と韓国で使ったストーリーは使用禁止、ストーリーなどを大きく変えるのは禁止など、中国版製作にさまざまな条件を付けた。中国版ドラマ「深夜食堂」の関連の責任者も、「日本の著作権所有者が著作権をあまりにも重視していた。その注文の多さは想像を超えており、ローカライズの大きな妨げとなった」と振り返っている。
ただ、日本の作品のリメイク版製作の道を完全否定する必要はなく、公開を控えている「ナミヤ雑貨店の奇蹟」の興行収入と口コミがどうなるかは、ふたを開けるまで分からない。そして、中国市場には「金のなる木」があり、中日文化の交流も深化しているため、難しさを理由に日本の作品のリメイク版製作をやめることはないと言い切れるだろう。(編集KN)
「人民網日本語版」2017年12月5日
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