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「水中永久稼働ロボット」、中国が試作機を開発

人民網日本語版 2017年12月21日14:18

中船重工集団が20日に発表した情報によると、中国は国内初の深海型海洋温度差エネルギー自給漂流ブイの試作機を開発し、理論の上で「水中永久稼働ロボット」を実現した。その全体的な技術は世界トップレベルに達しており、全地球海洋観測プロジェクト「Argo(アルゴ)」に使用される予定だ。科技日報が伝えた。

Argoは世界の海洋上層(海面から水深2000メートルまで)の海水断面データの高速・正確・広範囲収集を目的としている。同計画は世界の大洋で経度・緯度3度ずつにブイを投入し、数千のブイによる巨大な海洋観測ネットワークを構築し、海水の温度・塩分・圧力などを測量する構想を練っている。

このようなブイには、低コストで耐用期間が長く、壊れにくく日常的な点検を必要としないといった特徴が必要で、これにより初めて長期的かつ安定的に海洋データを入手できる。しかし現在のブイはすべてがリチウム電池を使用しており、高コストであるばかりか、耐用期間もわずか3−5年となっており、稼働停止後は海洋に汚染を及ぼすこととなる。

科学者は設備の「寿命」を延ばすため、海洋再生可能エネルギーを利用することを着想した。中船重工第710研究所高級エンジニアの田振華氏によると、海には潮力エネルギー、波力エネルギー、温度差エネルギーなど莫大なエネルギーが秘められている。うち温度差エネルギーは水中の垂直方向の温度差を利用しエネルギーを得ることができ、世界の海洋エネルギーのうち最大規模となる。再生可能かつクリーンで、出力変動が少ないといった特長があり、大洋で垂直運動するArgoブイに特に適している。しかしそのエネルギー変換技術は前例がなく、難易度が極めて高かった。その上、材料、制御、機械・電力設備、システム工学など数多くの学科・分野に関わることになる。

国内で唯一Argo認証に合格したブイ供給業者である同研究所は、国防科技大学気象海洋学院と協力し、4年の月日をかけ海洋温度差発電、相変化点制御、相変化チューブエネルギー貯蔵などの重要技術を把握し、多くの特許を取得した。ブイの試作機はCTD、溶解酸素、pH、音声、光学などのセンサーを搭載可能。その中核技術は中国海洋探査設備に対して、尽きることなき動力を提供できる。(編集YF)

「人民網日本語版」2017年12月21日

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