中国の映画館・沃美院線の北方地区責任者である趙勇経理は、「現在、映画1作品から映画市場全体にまで、寄与率を伸ばしているのが三、四線都市。『前任』のユニークなセリフなどは、欧米作品を見慣れている一線都市の観客にとってはあまり新鮮味がないかもしれないが、その習慣がない三、四線都市の観客にとっては、とても新鮮に感じられるのだろう」と分析している。
好きな映画のジャンルも、三、四線都市の観客と、一線都市の観客では明らかに異なる。前者は、芸術性の高い作品や海外の大作よりも、気軽に見れて、親しみを覚えやすい中国のアクション映画やコメディ映画などを好み、ラブコメディの「前任3」はそのような人の好みとちょうどマッチしたため、高い興行収入を上げるという奇跡を起こした。しかし、観客側のこうした好みの影響を受けて「前任3」のような作品は、すでに「映画」という本質から次第に乖離し始め、芸術としてよりも市場の客観的法則に従って興行収入を伸ばすようになっている。商業商品である「前任3」は、とても気軽に楽しめ、中国人が親しみやすく、共感を覚えることができるため、観客の多くが満足し、猫眼などのチケット販売サイトに高い評価を寄せている。一方、豆瓣における芸術性の高い作品を好むユーザーにとっては、同作品を芸術という視点から見た場合、物足りなさを感じることになる。このように、評価の観点が違いから、口コミの二極化が生じているとみられている。
張副編集長は、「誰もが他人にとっては元彼女であり、元彼氏であるという言葉があるように、ストーリーがしっかりしていて、若者たちの感情のツボをおさえることさえできれば、観客は、自分や知り合いまたは友人の身に起きたことだと感じ、共感を覚えることができる」と分析している。(編集KN)
「人民網日本語版」2018年1月14日
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