▽ホワイトハウスがTPP11を再構築しようとしても、もう遅い
トランプ大統領は選挙戦の初期からTPPに強く反対し、就任して最初の週に離脱を宣言した。「フィナンシャル・タイムズ」は、「米国の大勢の貿易・外交政策専門家が考えるように、トランプ大統領のTPP離脱宣言は戦略的なミスだ。米国は数年の時間をかけて日本をはじめとする11のエコノミーと交渉を重ねてきたのであり、TPPはそもそもオバマ政権で最重要の地経学(ジオエコノミクス)における優先事項だった」と指摘する。
米国がTPPを離脱してから1年後、米国を除く11ヶ国は3月8日にチリで新協定(TPP11)に調印することを決定し、新協定は早ければ2019年にも発行する見通しとなった。
米紙「ザ・ヒル」は、「貿易交渉の進展には時間がかかるのが普通だが、11ヶ国は『稲妻のようなスピード』で問題を解決した」と報じた。「ワシントン・ポスト」は、「TPP11の象徴的意味は明確だ。貿易問題において、各国が米国のいない状態で引き続き前進しようとしているということだ。日本はこれまでずっとTPPで主導的役割を果たそうとしており、日本を含む各国がリーダーの不在を埋めようとがんばっている今、貿易自由化の未来はもはや米国の手の中にはない」との見方を示した。
「フィナンシャル・タイムズ」は、「11ヶ国は引き続き米国にTPP復帰の余地を残しており、米国がこれまで要求してきた条項約20項目を凍結して、合意から完全に削除することはしていない。トランプ大統領の方針により、米国がTPPに復帰するなら、大統領はTPPをめぐるより深いレベルでの交渉を再開することになる」と伝えた。だがCNBCの報道では、「ほぼ誰もがうなずくのは、11ヶ国の素早い動きを前に、方針を転換したトランプ大統領がTPP11の条項を再構築しようとしてももう間に合わない、ということだ」と指摘した。
トランプ大統領はTPP復帰の具体的な理由を明らかにしていないが、二国間貿易がカベに当たり、「米国第一」が不満を引き起こし、TPPが「生まれ変わった」などの要因が、大統領に方針を転換させたものと考えられる。(編集KS)
「人民網日本語版」2018年1月31日
このウェブサイトの著作権は人民日報社にあります。
掲載された記事、写真の無断転載を禁じます。
Tel:日本(03)3449-8257
Mail:japan@people.cn