米国のニュース専門放送局CNBCがこのほど伝えたところによると、トランプ大統領は数日前、「米国にとって『よりよい』協定になるなら、環太平洋経済連携協定(TPP)への復帰を改めて考える」と述べた。「解放日報」が伝えた。
▽二国間貿易の発展は時代に合わない
トランプ大統領はTPPに開放的な態度を示したが、1対1の二国間貿易協定の交渉をより重視する姿勢もみせた。米誌「ヴァニティ・フェア」は、「多国間貿易は複雑で錯綜することが多いので、トランプ大統領が『団体購入をやめて、単独注文を選ぶ』傾向をみせることは理解できる。トランプ大統領は政治家になる前の経歴により、二国間を土台にしてこそ、米国の労働者と米国企業によりよい環境を生み出すことができると確信するようになった」との見方を示した。
だが貿易専門家の多くは、「今は二国間貿易関係の発展に力を入れるのに適切な時期ではない」とみる。長年にわたり米国政府で貿易担当の官僚だったウェンディ・カトラーさんは米紙「ワシントン・ポスト」の取材に答える中で、「貿易パートナーは、特にアジアの貿易パートナーは、二国間貿易関係の将来にそれほど興味を感じないようだ」と述べた。米紙「フィナンシャル・タイムズ」は、「トランプ大統領はTPP参加国やその他の貿易パートナーと二国間合意を締結したい考えだが、いざ日本をはじめとする各国との交渉開始を検討するようになると、理想と現実との大きなギャップに気づくだろう」と報じた。
アナリストは、「トランプ政権が二国間貿易関係の発展を願いながら、あちらこちらでカベにぶつかっている原因は、米国の貿易理念と現代の貿易モデルが合わないことにある。たとえばスマートフォンの部品が日本や韓国で製造され、中国を通じて米国や欧州に輸出されるケースがある。こうした貿易プロセスにはさまざまな役割をもった国々が関与する」と説明する。米紙「ディプロマッツ」も、「グローバル供給チェーンと『デジタル貿易』が経済の多国間主義の加速的発展を後押ししており、こうした状況はアジア・太平洋地域だけで発生しているわけではない」と指摘する。
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