現在、ビリビリ動画は主にモバイルゲームを通して利益を上げており、中でも日本のモバイルゲーム「Fate/Grand Order」の代理配信による売上が、モバイルゲームによる総売上の72%を占めていることは注目に値する。
一般的な動画配信サイトと違い、ビリビリ動画は今後もモバイルゲームに頼って利益を上げていくのだろうか?
ビリビリ動画のモバイルゲームの分野における野心は、代理配信にとどまらず、多額の資金を必要とする分野にも伸びていることは間違いない。新株発行の目論見書によると、17年8月、ビリビリ動画は、新しいモバイルゲームの自主開発をスタートさせてほか、同年12月末、エレクトロニック・スポーツ専門の「Bilibili Gaming」(BLG)を立ち上げることを発表した。
残りのライバルはYoutubeだけ?アップロード者が多額の報酬得られるかが鍵
二次元は、中国の娯楽市場においてなかなか「主流」の地位を固めることはできていない。そんな中、過去数年、ビリビリ動画は、モバイルゲーム、ライブ配信、会員、広告などを含む、商業化を慎重に進めてきた。以前から目玉としている二次元の分野において、ユーザーの創作物をアップできる動画コーナーもあり、人気を博している。
ビリビリ動画のライバルは、中国の動画共有サイトAcFun(エーシーファン)でもなければ、日本のニコニコ動画でもなく、Youtubeであるとの声もある。新株発行の目論見書によると、ビリビリ動画の運営に必要となる主なコストは、利益配分、コンテンツ、人件費、インターネットサーバーなどだ。
ビリビリ動画の利益配分は急増しており、15年の1793万2000元から、17年には9億2000万元に増えた。その総コストに占める割合も、5.9%から48.3%に上昇した。一方、コンテンツにかかるコストが全体に占める割合は15年の15.2%(4614万5000元)から、17年には13.6%(2億6200万元)に低下した。
ある証券アナリストは、「利益配分が大幅に増加していることは、ビリビリ動画が配信者に多くの報酬を渡しているということ。一方、ユーチューバーへの利益配分が多く、投げ銭機能もあることが、Youtubeが人気を誇る主な理由となっている。ビリビリ動画にも、Youtubeのようになれるポテンシャルはあるが、Youtubeとはまだ大きな差がある。Youtubeのユーザーは若者だけでなく、様々な年齢層の人に人気があり、ユーザーの趣味などは非常にバラエティーに富んでいる。また、Youtubeの広告収入も安定しており、Youtubeの利益に影響を与えずに、配信者に多くの報酬を配分することができる。ビリビリ動画が一部の人ではなく、すべての人の間で人気を博するようになるには、まだ非常に長い道のりを要する」との見方を示す。(編集KN)
「人民網日本語版」2018年3月8日
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