全国政治協商委員で俳優のジャッキー・チェンは、「中国にはカンフーもパンダもあるのに『カンフー・パンダ』はない。ディズニーがあの作品を製作したことで、世界中に知られるようになった」と語った。同作品でマスター・モンキーの声を担当したジャッキー・チェンは、ディズニー映画「ムーラン」でも李翔将軍役の吹き替えを担当した。
さらに、「中国が製作した『瀛台泣血(The Last Tempest)』や『西太后~垂簾聴政~』はとても素晴らしい作品だが、中国国内でしか放送されず、『ラストエンペラー』は世界中で上映されたのはなぜか。いつになったら、中国は外国人が作った映像作品に頼らず、中国文化を広められるのか。最近上映されたドキュメンタリーの『AMAZING CHINA』は非常に良くできている。英語版を製作し、海外でも上映するべきだと思う」と続けた。
中国文化を海外に進出させるのに、最も幅広い視聴者をもつ映像作品は海外進出を図る有効な手段の一つであると言える。ドラマ『宮廷の諍い女』はベトナムやタイ、マレーシアなどのアジア近隣諸国で一世を風靡しただけでなく、米国にも輸出された。全国政治協商委員で同ドラマの監督でもある鄭暁龍氏はインタビューに対し、「文化を海外に進出させるには、文化の最高レベルに到達する必要がある。中国の若者が米国のドラマや映画を好んで見るように中国のドラマや映画も欧米に輸入するべきだ」とした。
「宮廷の諍い女」を製作した当時、鄭氏はこのドラマを米国人に見せるという点まで考えていなかったという。彼は「宮廷諍いの物語としてだけでなく、この物語を通して封建社会の婚姻制度を批判する」という価値観に基づき、製作したのだという。
鄭氏は、「世界の人々も認めるような価値観の無い作品が国外に進出できるわけがない。社会主義の核心的価値観である『富強、民主、文明、調和、自由、平等』は世界の人々も認める価値観。こうした価値観に基づく作品ならば海外進出もできるだろう」とした。
鄭氏は「価値観」というこの3文字を繰り返し強調し、「理性的な認識を抱いて初めて理性的な作品を製作することができる。例えば抗日戦争をテーマとした作品なら、日本の軍国主義が中国に対して行った迫害を批判すべきであり、日本人を批判すべき。そうすることで初めて日本人も納得させるような映像作品になる」との見方を示した。
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