日本の豊橋技術科学大学の研究チームがこのほど、香りを記録して可視化する「かおりカメラ」を開発したことを発表し、先ごろ行われた科学技術展では、この「かおりカメラ」が初めて展示された。
この長方形型の「かおりカメラ」は異なる香りを記録し、可視化することができる。このカメラ内部にある半導体イメージセンサーに香りを検知する特殊な検出膜を塗り、香りのある気体の成分を識別すると、電気信号の変化によって、その香り特有の図式データを表示でき、香りの可視化が実現している。
現在、このカメラはコーヒーやアルコールなど比較的その香りがはっきりしたものを識別することができる。研究者によると、センサーの検出膜の種類を増やすだけで、識別精度を高めることができるという。
豊橋技術科学大学の沢田和明教授は、「コーヒーの香りを写真で撮影してSNSに投稿すると、同じコーヒーを飲んだことがある人が、その香りの図式データを確認することができる。このカメラを開発したのは、香りを示す特殊な記号を使うことで、香りを記録できるようにするため」と語った。
「かおりカメラ」の開発チームは、実用化をスピーディに進めるには、膨大なデータベースを立ち上げる必要があるとしている。現在、香りの検出技術はガス漏れ警報や飲酒運転の検査などにしか応用されておらず、将来的にまだ実用化されていない新たな分野で応用されると見られている。例えば、食品安全検査において、食品の香りの違いによって正確にその新鮮度のレベルを測定できる。また、医療分野においても、人間の吐き出される息に含まれる香りの種類によって病気の診断を行うといったような新たな医療体験を実現させることができる。(編集YK)
「人民網日本語版」2018年4月19日
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