第71回カンヌ国際映画祭の最終日となった現地時間19日(北京時間20日)、日本の是枝裕和監督の新作「万引き家族」が最高賞のパルム・ドールを獲得し、是枝監督がスピーチでその喜びを語り、同映画祭は閉幕した。北京日報が報じた。
「万引き家族」が堂々の最高賞を受賞したことはやや意外な結果と捉える向きもあったが、ここ十数年、是枝監督はカンヌ国際映画祭の常連客とも言える存在であるばかりか、日本映画がパルム・ドールを受賞するのもこれで5回目であり、予想外とは言えないとの見方もある。中国映画が「海外進出」の夢の実現に取り組んでいる中、日本映画の国際映画祭における快挙は、中国にとって、より多く思考をめぐらす事柄であるばかりでなく、多くの希望も与えてくれる。
1962年生まれの是枝監督は、95年に映画監督デビューし、瞬く間に自身の作風を確立した。その映像は素朴で、「家族」を題材にした作品を得意とし、「平成の小津安二郎」と呼ばれている。
中国の映画評論家・陸支羽氏は、是枝監督の映画の特徴について、「温かさの中に力があり、胸の痛みを感じさせられるにもかかわらず、視聴者に同情を訴えるようなことがない」と評価する。
是枝監督と交流がある中国の映画評論家・沙丹氏は、今や世界的な巨匠となった是枝監督の性格について「極めて穏やか」と説明し、「彼の作品と同じく、温かみがあり、近づきやすく、謙遜な君子でありながら、近所のおじさんのようでもある」と分析する。
実際には、是枝監督と聞いて中国の観客が思い浮かべるのは「芸術映画の監督」というイメージだ。今年4月初め、中国全国芸術映画放映聯盟は、是枝監督にとって初めてのサスペンスとなった「三度目の殺人」(2017年)を中国の映画館で上映したものの、その興行収入は400万元(約7000万円)にも達しなかった。しかし、沙丹氏によると、「日本での興行収入は10億円を超えた。小津安二郎一監督と同じで、是枝監督の作品を単に『芸術映画』の枠にとどめておくことはできない。彼の作品は日本では基本的に興行収入が数十億円に達する。芸術性がありながらも、市場のニーズにもマッチしている」としている。
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