ある日、ネットでフードデリバリーや生鮮食品を注文したら、なんとたった数分後にはデリバリースタッフがドアをノックするというようなことが起きたとしても、別に驚くことは無い。なぜなら、デリバリーチームにドローンが加わることになったからだ。ロボットが人の代わりに働く時代がすでにひそかに到来しつつあるのだろうか?人民日報海外版が伝えた。
広東省広州市で暮らす陳さんは最近、携帯アプリで魚を注文した。数十分は待たないといけないだろうと思っていたのだが、デリバリースタッフはなんと十数分で到着。
これほどスピーディーだった訳は、ドローンデリバリースタッフがいたからだ。スタッフは陳さんから注文を受けると、直ちに商品をピックアップし、待機中のドローンに魚を積み込むと、「離陸」ボタンを押した。ドローンは設定された航路を飛行し、魚を陳さんのいる団地まで届ける。そしてドローンの着陸前には、連絡を受けていたデリバリースタッフが前もってすでに団地の着陸地点に到着しており、商品を取り出すと、陳さんの家までの「最後の100メートル」の配送を受け持つ。
これは中国で初めて認可を得たドローン物流配送常態化運行・飛行路線だ。億航物流ドローンチームはすでにこの固定航路で、無故障・安全試験飛行を600回以上行っている。推算によると、ドローンによる配送でデリバリーにかかる時間を40−60%短縮できるとしており、航路の拡大と空の物流ネットワークが形成される後には、その規模化運営により輸送にかかるコストを50%削減できるとしている。
◆実用化まではあとどのくらい?
ドローンによる適時配送業務の政策制定、技術の実現可能性のテストで、すでに大きな進展を得ている。
航空管制の政策条件について、中国民用航空局は昨年10月、億航やファーウェイなどの企業と上海市で、国内初の低空デジタル化応用革新基地を建設した。また中国民用航空局や億航、ファーウェイ、中国移動などは今年2月、「低空ネット接続ドローン安全飛行テスト報告書」を共同発表した。そしてネット接続ドローン監督管理技術のテストを通じ、セルラーネットワークのドローン監督管理における有効性への研究を掘り下げることで、国際電気通信連合による「既存のセルラーネットワークを利用し、低空小型ドローンの監督管理を行う」という技術の実現性をさらに検証した。
人々の安全面への懸念について、一部の研究開発企業は現在、技術の改良中と発表している。億航物流ドローン研究開発者は、ドローンは通信モジュールを内蔵しており、4Gネットワークに接続できると話した。それから専用の基地局を通じ動的・リアルタイムの計算を行うことで、システムの測位精度を30センチ級にし、安全かつ正確な配達を実現できるという。
新小売は「速度」と「鮮度」を売りにしていると考える専門家は多いが、ドローンによる配送の安全技術の改良と政策の完備に伴い、ドローンによる配送というウェイトはますます高まり、その運営コストが大幅に削減されるとみられており、その実用化の潜在力は今後、十分に引き出されることになるだろう。(編集YF)
「人民網日本語版」2018年6月14日
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