日本で6月中旬に施行された「住宅宿泊事業法」(民泊新法)が、引き続き日本の夏休み観光市場に影響を与えている。日本の風土や人情をじっくり体験するため、民泊施設に泊まるのが中国人観光客の新たな選択肢になっている。だが「新法」により、民泊仲介サイトの中には「無届け民泊施設」となって掲載をやめた施設が約8割に上るところもあり、夏に日本に行けば泊まるところがない可能性もある。「環球時報」が伝えた。
▽「無届け民泊施設」にダブルパンチ
民泊ビジネスはこれまで日本ではグレーゾーンで、法律や条令に規制されることはなかった。空き室があって、空きベッドさえあれば、ネットを通じて短期賃貸に出すことができ、オーナーは収入を得られるし、繁忙期のホテル不足問題も解決できた。このように一挙両得にみえる民泊ビジネスだが、監督管理が不十分なことから、安全に関わる問題も生じる。たとえば男性のオーナーが女性客を盗撮する、わいせつ行為に及ぶといったケース。宿泊者が正当な理由もなく部屋の住人に「不法侵入」と断定され、巨額の「罰金」を要求されるケースがあった。犯罪者が民泊施設で麻薬の取引をしていたという大きな問題も起きた。
こうした背景の下、日本政府は昨年に「住宅宿泊事業法案」を閣議決定し、今年6月15日に施行した。「新法」の規定によると、民泊ビジネスを行おうとする者は都道府県知事等に届け出を行い、登録を受けて届出番号を記した標識を届出住宅に掲げなければならない。そうしなければ違法行為となる。また「新法」は、ホテルと区別するため、年間の営業日数の上限を180日(泊)と規定する。米ニュースサイト・ビジネスインサイダーが伝えたところによれば、ある民泊仲介サイトは民泊施設6万2千件を掲載していたのが、ほぼ一夜にして4万8千件の掲載を取りやめることになり、施設が約80%減少と激減したという。日本の観光庁がまとめたデータでは、6月8日現在、届出の申請書を提出した施設は2707件にとどまり、合法的施設が減少を続けているという。
▽民泊のハードルが上昇
鄭芳茹さんは北海道で経営する3軒のホテルを対外的に開放しており、民泊ビジネスとしては届出を申請している段階で、来月には届出番号を取得する見込みだ。鄭さんが発信する動画と写真をみると、民泊施設の部屋は非常に広々としており、コンパクトさを売りにする日本のホテルよりも大きくゴージャスで、アジアムードと西洋ムードを兼ね備え、きれいで清潔だ。浴室、キッチンからキッチン用品、トイレマットに至るまで、なんでもそろっている。鄭さんは、「必要な設備を整えるのに大体50万円くらいかかった」と話す。「新法」施行前には、在日の中国人でこのようなビジネスを手がけたいとする人が大勢いた。中国人のオーナーは中国人客が何を求めているかをよく知っており、よいよいサービスを提供したいという思いも強いため、いろいろな点で日本人オーナーよりもうまくやることができる。
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