乗車券の購入から乗車、レジの精算など、日々の暮らしでは必要に迫られて並ぶことが少なくない。それだけでなく、今やネットで人気の食品店でも行列のブームが起きている。ミルクティーを飲むために2時間並び、低血糖で気絶した人もいるのだ。科技日報が伝えた。
なぜ並びたがる人がこれほど多いのだろうか。好奇心とは新鮮な物事に直面した人に生じ、注目し調べてみたいという心理的傾向だ。好奇心は環境を探索し、知識を求めることを促す。長い列を見ると、人々はどうなっているのか見てみようと思う。ネット人気店の前に長蛇の列ができていると、多くの人は「これほど並んでいるのだから、きっと美味しいに違いない。私も並んで味わってみよう」と思うだろう。
ネット人気店はコミュニケーションという性質も備えているため、多くの若者は味わった後にSNSで写真を投稿しようとする。これは先ごろ非常に流行した「喜茶」と同じようなものだ。喜茶を飲むのはおしゃれで誇らしいことであり、この流行に追随しなければ時代遅れであるといった具合だ。そのため普段はミルクティーをあまり飲まない人でも、高品質の生活を求める若者の仲間入りをするため、人気の店に並ぶことになる。これはコミュニケーションにおける帰属感の需要であり、人々は仲間はずれを恐れるという点を示している。
コミュニケーションという需要だけでなく、群集心理も行列に並ぶ動機となる。群集心理とはある集団の影響を受け、知覚・判断・行為がこの集団と一致することだ。例えば客のいない飲食店と、長い列ができている飲食店であれば、どちらが美味しいと考えるだろうか。人々は本能的な反応で、人の多い所のほうが美味しい、さもなければわざわざ食べようとはしないではないかと考える。情報が不十分かつ不明瞭な場合、人々は集団に追随しがちだ。群集心理には進化の意義があり、人々が効率を高めスムーズに決定し、責任を分かち合うことができる。しかし列に並んで買ったものが別に美味しくはなかったなど、人々の正しい判断を妨げる場合もある。(編集YF)
「人民網日本語版」2018年8月16日
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