過去10年間に発展を遂げた中国の乳業の品質はどうだろうか。8月22日に発表された「中国乳業品質報告(2018年)」によると、17年の生乳のサンプル検査合格率は99.8%に上り、メラミンなどの重点監督対象である禁止添加物の検査合格率は9年連続で100%を保ち、乳製品は99.2%、乳幼児用調整粉ミルクは99.5%で、食品の中でトップレベルを維持した。農業農村部は3年続けてサンプル評価を行い、その分析によると、国産乳製品の品質は明らかに輸入製品よりも優れていたという。「経済日報」が伝えた。
同部乳・乳製品品質監督検査テストセンター(北京)の王加啓センター長(中国農業科学院研究員)は、「世界の先端レベルと比較しても、中国の乳製品の安全性は全体としてすでに高いレベルに達している」と話す。
同報告によれば、17年の中国ミルク類生産量は3655万2千トンに上り、インドと米国に次ぐ世界3位で、世界全体の4.5%を占めた。乳製品生産量は2935万トンで同4.2%増加し、12年との比較では15.3%増加した。
17年のミルク類生産量が同1.5%減少し、12年比でも5.5%減少した。王氏は、「この数字には消費が相対的に力不足であることが反映されている。実は市場が成長していないのではなく、ここ10年間の市場の成長の可能性が基本的に輸入生乳によって奪われたということだ。消費者の多くは根拠もなく輸入ミルク類を追い求める」と指摘する。
輸入のミルク類と国産のミルク類と、どちらを選べばよいのだろうか。同部乳製品品質安全リスク評価実験室(北京)が3年かけて全国大・中都市20数カ所で行った国産液体ミルクと輸入液体ミルクのサンプル評価・比較研究の結果、国産でも輸入でも、評価の指標はすべて中国の食品安全基準をクリアしており、食品の安全性は保証されており、安心して飲めることがわかった。
王氏は、「品質評価と分析により、国産乳製品の品質は輸入乳製品より明らかに優れていることがわかった。輸入液体ミルク類には品質保証期間が長すぎる、アクティブプロテインの含有量が明らかに少ない、フロシンの含有量が多すぎるといった問題がある。消費者は高品質のミルク類を飲みたいなら、国内で生産されたものを優先的に選ぶべきだ。輸入ミルク類は中国に輸出されるまでに、長い輸送距離、長い保存時間、高い加工温度という3つの課題に直面し、品質が目立って低下する。よって中国の消費者にとって輸入ミルク類は最善の選択とはいえない」と話す。
専門家は、「中国乳業の今後の発展の可能性は大きい。17年の全国の一人あたり平均乳製品消費量は生乳に換算して36.9キログラムにとどまり、アジア平均の半分、世界平均の3分の1、先進国平均の10分の1で、発展途上国の平均と比べても約40キログラム少ない。国民の収入が増加し、消費の理念が改善されるのにともなって、乳製品の消費は安定的に、必要不可欠なものとして伸びていくだろう」との見方を示す。(編集KS)
「人民網日本語版」2018年8月23日
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