ある国の科学技術イノベーションのレベルや先端製造業の水準をはかる重要な指標として、ロボット産業が各国の注目をますます集めるようになっている。主要エコノミーはロボット産業の発展を相次いで国の戦略に格上げした。「ロボット革命」は第3次産業革命の着手点の一つであり、重要な成長源であり、グローバル製造業にも影響を与えるものだ。人民日報が伝えた。
中国ロボット産業連盟がまとめた統計によると、2013年の中国工業用ロボットの販売台数は3万6860台で、前年比41%増加し、中国は日本を抜いて世界一のロボット市場に成長した。第3次産業革命の着手点の一つであり、重要な成長源であるロボットは、中国の工業のモデル転換・バージョンアップ、製造大国から製造強国への転換における重要な手段になりつつある。
▽今年1~9月のロボット販売は32.5%増加 製造業はロボット時代へ邁進
工業・情報化部(工業・情報化省)の蘇波副部長は、「人件費コストが徐々に上昇し、労働力の構造的な供給が低下し、新興エコノミーの間の競争が激化し、欧米の先進国が再び製造業を重視するようになるなどの複雑な局面が、中国の製造業にモデル転換・バージョンアップを迫っており、各産業ではロボットによる自動化設備への需要が勢いよく伸びている。効率を引き上げる、品質を向上させる、コストを引き下げる、事故を回避する、劣悪な環境下でも作業が可能といった強みをもつロボットが、中国の自動車産業や電子産業などの製造業や日常生活のさまざまな分野に徐々に浸透している」と話す。
同連盟がまとめた最新のデータから、中国の製造業市場におけるロボットの勃興がうかがえる。今年第1~3四半期(1~9月)の国内の工業用ロボット販売台数は3万3600台で前年同期比32.5%増加し、通年では4万5千台に達する見込みだ。工業ロボットは国民経済を構成する25の産業分類の52産業に幅広く貢献し、製造業のさまざまな分野に進出しているという。
だが国際ロボット連盟のまとめた統計では、製造業の従業員1万人あたりのロボット保有台数は、各国の396人、日本の332台、ドイツの273台、世界平均の58台に対して、中国は23台に過ぎず、中国の工業用ロボット市場には引き続き大きな発展の可能性があるといえる。
蘇副部長は、「今後数年間、中国の工業用ロボット市場は急速に伸びていく。国際ロボット連盟がこのほど発表した報告によると、中国の工業用ロボット需要の年増加率は25%以上になり、2017年の市場での販売台数は10万台に達し、工業用ロボット保有台数は40万台を超える見込みだ」と話す。