福原さんを含む日本の選手はこれまでずっと、中国の選手が壁となり、表彰台の一番高い所に立つことはできていない。中国の卓球界では、「次々と入れ替わる中国の大魔王のような選手に、ひたすら立ち向かう福原愛」と称されている。
例えば、08年北京五輪で、福原さんは、女子シングル4回戦で張怡寧選手と対戦した。その時、第2セットで、「大魔王」は9点を先取。11対0の完封勝ちでは福原さんのプライドがズタズタになるため、張怡寧選手はわざとミスをして点をあげた。しかし、わざとサーブミスをするその様子はあまりに不自然で、そのシーンは今でも多く人の記憶に残っている。
中国代表との対戦で、福原さんはまったく歯が立たないため、中国選手と当たらないようにとの思いを込めて、王楠選手にもらった「幸運」の魚のキーホルダーをカバンにつけたほどだった。しかし、その大会では、福原さんは王楠さんとの対戦はなかったものの、「不幸」にも張怡寧選手と当たってしまった。中国の代表選手の世代交代は今も続いているが、何代もの「大魔王」に立ち向かってきた福原さんは引退してしまった。福原さんが引退を発表し、日本のファンらは「喪失感」のようなものを覚えているほか、中国の卓球ファンも「愛ちゃんロス」に陥っている。
笑顔がかわいいルックス、泣き虫な性格の福原さんは、中国でも「瓷娃娃(陶器のお人形さん)」の愛称で親しまれてきた。そして、ルックスや性格だけでなく、中国のファンは、そのプレーにも、一喜一憂してきた。福原さんは中国と深い「絆」を築いてきたのだ。
福原さんは、引退発表のブログでも、「初めて中国で練習したのは5歳の時。これまでにないほどたくさん練習して、足がクタクタになって寝られなかったのを覚えています。練習に参加させてくれた各省チームに感謝しています。中国に行って練習すると、とても上達したと感じていました」と振り返り、中国との縁に触れた。
ブログで、福原さんは、「中国で、家族のような媛お姉さんと大金に出会うことができました」と、遼寧省の湯媛媛選手とフィッティングパートナーの金恵美さんに言及している。1998年、まだ10歳だった福原さんが中国に来た時、その練習パートナーを務めたのが湯媛媛選手だった。
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