引退表明した福原愛選手、中国の「大魔王」に立ち向かい続けたその縁とは (3)

02年秋からリオデジャネイロ五輪後に福原さんが結婚を発表するまで、湯選手は福原さんの専属コーチを務めた。また、金恵美さんも、福原さんのフィッティングパートナーを約10年務めた。

劉国梁選手は以前、福原さんについて、「とてもいい選手で、かわいく、フレンドリーだ。僕たちは彼女を日本人とは見ておらず、中国チームの定員外のメンバーだと思っている」と話したことがある。子供のころから中国で練習していたため、福原さんはたくさんの中国人の友人ができた。

友人には、たくさんの中国代表選手や省チームの選手も含まれている。中国代表の主力である劉詩■（■は雨かんむりに文）選手は、福原さんと一番仲が良く、花嫁の介添えとして福原さんと台湾地区の江宏傑選手の結婚式に参加したほどだ。福原さんが現役引退を発表すると、劉選手はすぐにその記事を転載している。そして、「この投稿を見て、とても複雑な気持ちになった。これからは試合で対戦することはなくなったけど、個人的に会おうね！卓球を通してたくさんの素晴らしい瞬間と思い出をくれて、ありがとう。今後の人生が幸せで、順調なことを祈ってます！」という祝福の言葉を添えた。

「中国と日本の金メダル争い」が近年、世界の卓球界の見所となっているが、福原さんが中国と日本のスポーツ交流の懸け橋となってきたことに疑いの余地はない。流ちょうな東北なまりの中国語を話せる福原さん自身も、「とっくに中国での生活には慣れている」と話したことがある。

戦績という面では、福原さんは卓球界で輝かしい成績を収めてきたわけではないが、勝てば官軍負ければ賊軍の卓球の世界で、他にはいない独特な存在だった。現在、石川佳純選手や平野美宇選手などの若い選手が成長しているため、福原さんは十数年背負ってきた重責を下ろし、生活を楽しむことができるようになった。

しかし、引退発表の文にも綴られているように、福原さんの卓球に対する熱い思いは決して消えることはないだろう。（編集KN）

「人民網日本語版」2018年10月25日