「開放は進歩をもたらし、閉鎖は遅れを招く」。世界の大国の発展の歴史とプロセスを振り返ると、主体的に世界に溶け込むことからスタートしなかったところはない。世界銀行は2008年に発表した報告書の中で、「世界には25年以上続く高度成長を達成したエコノミーが13あり、その共通の特徴は対外開放を実施したことだ」と指摘した。開放はその国の経済発展により多くの資源、より大きな市場をもたらし、分業に参加でき、コストを削減できるようにするのであり、開放は手厚く着実な支えであり、また力強い原動力でもある。1滴の水が大海に流れ込めば決して枯渇することがないように、国も経済グローバル化という大海のように大きな流れに溶け込んでこそ、経済の大きな循環の中で活力を保ち、生きながらえることができる。(文:李鉄)
ある時期から、「ブラック・スワン」的な事件や「灰色のサイ」のようなリスクが頻繁にみられるようになり、保護主義の高い壁を築く人、一国主義の古いやり方に後退する人が出てきて、経済グローバル化は逆流に襲われたかのようになった。だが歴史が証明するように、自己を封じれば世界を失い、最終的には自己をも失うことになる。習近平国家主席がアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議での基調演説で述べたように、「もし、壁を設置して、各国の経済上の密接な連携を断ち切るなら、経済法則や歴史の流れに逆らうだけでなく、各国の国民が望んでいることにも逆行する。それは近視眼的であり、成功することはない」のだ。
長年にわたり、経済グローバル化という大きな流れにより、各国経済の資金フロー、技術フロー、製品フロー、産業フロー、人材フローは、日に日に融合し一体化してきた。アップル社が以前に発表したサプライヤーリストには、多くの国・地域の企業769社が含まれていた。つまり、開放の方向性を堅持し、開放型の世界経済を共同建設することが、時代の流れに順応し、発展の可能性を開拓するという大勢の趨くところだ。
当然のことだが、経済グローバル化は両刃の剣でもある。グローバルな発展に力強いエネルギーも提供するが、いくつかの新たな状況や新たな課題ももたらすことになる。世界経済が下ぶれの時期にある場合、グローバル経済の「パイ」を大きくすることは簡単ではなく、成長と分配、資本と労働、効率と公平との間の矛盾がより突出するようになり、先進国と発展途上国はどちらも圧力と打撃を受ける可能性がある。これは世界全体が真剣に向き合わなければならない問題だが、その答えは絶対に閉鎖された孤島に退却することではない。保護主義と一国主義に反対するとの旗幟を鮮明にし、世界貿易機関(WTO)を中核とした多国間貿易体制を守るこそ、開放の中で共同利益を拡大し、協力の中でチャンスの共有を実現し、経済グローバル化を牽引してより開放的、包摂的で、あまねく恩恵のある、均衡ある、ウィンウィンの方向へと発展することを可能にする。
このほど閉幕した第1回中国国際輸入博覧会には、多くの企業が参加し、成約見込額は578億3千万ドル(約6兆5053億円)に達し、中国市場の巨大な潜在力と中国の対外開放への決意を世に知らしめた。今年は中国の改革開放40周年であり、これまでの激動の歴史的プロセスの中で、中国は門戸を開き、世界を受け止め、世界中を驚かせた「中国の奇跡」を成し遂げた。より高い水準の開放によって開放型世界経済の建設を推進し、世界の共同開放を推進するという中国の歩みが止まることはない。(編集KS)
「人民網日本語版」2018年11月20日
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