▽「ものぐさ経済」が脆弱なO2O市場を支える
蘇寧金融研究院は先月、国家金融・発展実験室、PP財経と共同で、「2018年中国個人消費高度化指数報告」を発表した。それによると、中国の個人消費高度化総合指数がペースを上げて上昇しており、13年の0.341ポイントから18年は0.376ポイントに上昇した。そして消費は発展型と享受型に向かい、「ものぐさ経済」の時代がすでに訪れているとしている。
「ものぐさ消費データ」にある「ものぐさ消費ヒートマップ」によると、沿海地域のものぐさ消費が突出しており、湖北省を除けば黄河中流域の平原地帯である中原エリアにはものぐさで上位10位に入る地域はない。最もものぐさなのは広東省の人々で、東北地域と西北地域のものぐさ消費は相対的にみてやや低い。年代別にみると、広東省の80後(1980年代生まれ)と90後(1990年代生まれ)がものぐさ番付で1位と2位に並んだ。
ネットビジネスモデルの代表であるO2Oが体現するのは、一種の典型的なものぐさ経済であり、オンラインとオフラインを結び付けたビジネスモデル。これは人々の生活習慣を変えただけでなく、消費者により豊富な消費チャンネルをもたらし、より便利で迅速な消費を可能にした。ネットを通じて問題を解決するのは現代の若者の考え方における一つの習慣となっており、これもまた一種の「ものぐさ消費」と言える。またものぐさ経済は地域経済の発展水準と密接に結びついてもいる。そのため経済が発達した地域の青年層は、O2Oを利用して小売や外食、コミュニティサービス、美容、観光、教育、自動車など多くの産業にまたがる訪問サービスプロジェクトにかかわるようになっている。
訪問サービスのO2Oは市場の範囲が相対的に幅広く、操作の内容も比較的簡単なため、「なまける」ことと「楽をする」ことの便利さに後押しされ、参入のハードルはそれほど高くない。オフラインの「面倒なあれこれ」を整理してオンラインに結びつけることさえできれば、「ものぐさ経済」の波に楽々とのることができる。ここ数年、多くのO2Oプロジェクトが着実に繁栄を遂げたが、プロジェクトが直面する複合効果と資金調達難は経営者の頭を悩ませているともいえる。
河北省承徳市で代行サービス「幇跑腿」を開発した起業家の王森さんは、「O2Oプラットフォームで最も重要なことは自分をPRすること。こうした最初の支出は埋没費用となり、無駄になる可能性は高い。楽をするための製品を開発するにしろ、楽をするためのサービスを提供するにしろ、オフラインで実際に営業をする人やオフラインの営業チャンネルとの協力は不可欠だ。また一部の小都市では、いくらたくさん投資しても、消費者の生活習慣を変えることはできない。なぜなら小都市の人々はそれほど忙しくないからだ。一方、大都市では草の根の起業家たちが大資本による持続的で大量の資金を投入したPR攻勢に対抗することが出来ずにいる。ものぐさ経済のようなそれほど成熟していないビジネスモデルは資金チェーンの断裂に直面することが多く、インターネット企業や伝統的企業よりもダメになったときに倒れるペースは速い」との見方を示している。(編集KS)
「人民網日本語版」2018年12月20日
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