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ソフトバンクの「輸血力」に疑問符 上場初日に価格割れ (2)

人民網日本語版 2018年12月21日16:48

▽親会社への「輸血力」に疑問符

電信事業からスタートしたSBGは今、「電気通信企業」の看板を急いで下ろそうとしている。SBGの創業者・孫正義氏はここ数年、ますます革新的技術市場を狙うようになり、ソフトバンクという企業を「科学技術帝国」に発展させることを目指している。孫氏の説明によれば、「今回、電気通信子会社を切り離して単独で上場したのは、科学技術投資大手への転換に向けた動きの一部で、ソフトバンクという企業が『日本の電気通信企業』から『世界のハイテク投資企業』に転換するようバックアップするためだ」という。

また孫氏は、「今回の上場により、電気通信子会社にはより大きな自立的経営権が与えられると同時に、自分も『解放されて』他の事業や投資に精力を傾けられるようになる。これまでは電信事業に精力をほとんど費やしてきた」と話す。SBGは、「電信子会社の上場により親会社と電信子会社それぞれの役割がはっきりする」としている。米格付け会社のムーディーズのアナリストは、「今回のIPOによりSBGのポートフォリオの透明性が増す」といい、同じく米格付けのスタンダード・アンド・プアーズは、「今回の重量級のIPOはソフトバンクという企業の投資持ち株グループへのモデル転換を一層強化する。今回のIPOはモデル転換戦略にキャッシュフローをもたらし、調達した資金はSBGが次の科学技術投資ラッシュを巻き起こすのを後押しすることになる」との見方を示す。

ここ数年、SBGと傘下の設立してまもなく1千億ドルの規模に達したソフトバンク・ビジョン・ファンドは、世界の科学技術分野で「トルネード旋風」を巻き起こす投資を行ってきた。

ただ、ソフトバンクが親会社の投資ビジョンのために輸血を続けられるかどうかには疑問符がつく。ソフトバンクは、「2019年3月までの18年度以内に、営業収入3兆7千億円と純利益4200億円を達成し、営業収入の前年同期比増加率は3.3%、利益の同増加率は9.7%を目指す」としているが、アナリストのクリス・レーン氏は、「電信市場の長期にわたる基本的側面から考えて、重要な好材料が現れでもしない限り、この産業が高い利益の伸びを達成するのは難しい」と指摘し、別のアナリストも、「ソフトバンクの過去2年間の純収入増加は主に減税政策の恩恵を受けたからで、この好材料が長く続くことはあり得ない」と指摘する。これまでに指摘した逆風となるさまざまな要因の出現で、ソフトバンクが力強く収益を出し続けられるかどうかはわからなくなった。さらに、料金値下げや新規プレイヤーの登場により、来年の日本の電信市場は競争が一層激しくなり、関連銘柄も変動がより激しくなる可能性があり、ソフトバンクの今後ははっきり見通せない。

またメディアが最近伝えたところによると、今年9月末現在、ソフトバンク・ビジョン・ファンドの280億ドルの投資は27%ものリターン率を達成し、この数字は成功といえるが、来年は逆転する可能性がある。なぜなら目下、複数の投資を楽観視できず、来年のSBGは投資の相場と資産価格が下落する巨大な圧力に直面するとみられ、孫氏の投資拡大計画も頓挫する可能性が出ている。(編集KS)

「人民網日本語版」2018年12月21日


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