出生率の低下、出生数の持続的減少により、日本社会はますます高齢化が深刻になっている。高齢者の増加がもたらす年金や医療などの社会保障支出の増大が経済発展にとって極めて大きな負担となり、就業人口の減少、人手不足も経済発展を制約する。日本経済は何年も続けて低成長の苦境に陥り、人口問題が経済復興をさらに難しくしている。「経済日報」が伝えた。
日本の厚生労働省は最近、人口動態統計の最新の推計や中期的な就業人口の見通しを次々発表。データによると、人口規模と就業者数の低下が日本経済の発展を制約する最大の難題だという。
2018年10月の人口動態統計速報による推計値では、18年に日本で生まれた子の数(出生数)は92万1千人で、3年続けて100万人を下回った。死亡数は136万9千人で、死亡数から出生数を差し引いた人口の自然減は44万8千人に達し、人口減少幅は過去最高を更新した。
日本の出生数は1949年に過去最高の269万6600人を記録し、その後は100万人前後で推移してきた。71〜74年の第2次ベビーブームで200万人の大台を回復したが、その後は減少を続けている。18年は前年比約2万5千人減少し、統計を取り始めた1899年以降で最低の出生数になる見込みだ。
日本の出生数の減少を招いた主な原因として、25〜39歳の出産適齢期の女性人口が減少していることがある。厚労省人口動態・保健社会統計室がまとめたデータでは、ここ数年、この年齢層の女性は毎年約25万人のペースで減少しているという。関係者によると、「政府は新たな人口政策を制定し、医療や社会の面から子どもを産み、育てたいと願う家族を支援するべきだ」と話す。
先進国の中では、日本の出生率の低さが特によく知られており、人口1千人で生まれる子の数はわずか7.4人だ。スウェーデン、英国、米国、フランスなどより明らかに少ない。
出生数が減少し死亡数が持続的に増加した結果、日本は07年から12年連続で人口が減少している。減少数は10年は10万人、11年は20万人超で、17年は40万人に迫った。18年は44万8千人に達するとみられ、減少の流れに歯止めがかかる見込みはない。このほどの論評によると、ここ数年の間に日本政府は税金、保育所設置、教育費の無償化など一連の措置を取ってはきたが、妊娠・子育て中の女性の就業や子どもの福祉に適した環境をさらに整備することが必要だ。整備が進まなければ、高齢化の流れの中、日本社会の発展はますます大きな問題に直面することになる。
厚労省が今月15日に発表した40年の就業者数の推計では、日本経済が低成長を続け、女性と高齢者の労働参加率が上昇しない場合、40年の就業者数は17年比20%減少して5245万人になり、1285万人の減少になる。経済が回復して高度成長を維持しても、就業者数は10%近く減少する。40年の日本は高齢人口がピークを迎える。定年年齢の引き上げにより、40年には働く60歳以上が1319万人に達し、減少幅は最小になるが、最近の出生数の減少を受けて、15〜59歳の就業者数が25%減少し、減少幅は最大になる見込みだ。これはつまり、働く人の4分の1が60歳以上だということだ。産業別人口分布をみると、これから就業者が増加するのは医療と介護の2分野にとどまる。40年にはこの2産業の就業者数が17年比13%増加して過去最多となる。その一方で、製造業の労働者は20%減少するとみられる。
社会の生産力の発展を実現するには、生産効率を毎年2.5%引き上げる必要がある。同推計によると、AIなどの技術の進歩により労働生産性は0.8%前後向上できるが、残りは労働者の技能を向上させることによって達成しなければならないという。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年1月23日
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