電気自動車(EV)を使った帰省は近年、「春運」(春節<旧正月>期間の帰省・Uターンラッシュに伴う特別輸送体制)期間の新たな「悩みのタネ」になっている。渋滞する高速道路では、立ち往生しているEVがよく見られる。全国宇宙探査技術首席科学発信専門家の厖之浩氏は13日、「中国が宇宙太陽光発電所を建設すれば、EVはいつでもどこでも充電でき、電欠の懸念がなくなる可能性がある」と述べた。科技日報が伝えた。
宇宙太陽光発電所の発展の中心的な応用目標は、地上に大規模の商業化された電力を供給することだ。厖氏によると、カバー範囲が広く、過疎地、離島、被災地に給電でき、さらには地上移動目標物にフレキシブルに給電できる。
中国は2008年に、宇宙太陽光発電所の研究開発を国家先期研究計画に盛り込んだ。近年、プラットフォーム非集光型、二次対称集光型、マルチ回転ジョイント及び球形エネルギー収集アレイなどのプランを打ち出し、同時にワイヤレスエネルギー伝送などのコア技術についても重要な進展を遂げた。中国は現在、宇宙太陽光発電所の研究で、大まかに「追走」から「併走」に移り変わっており、宇宙太陽光発電所の発展を促す世界の重要な力になっている。
中国航天科技集団公司第五研究院科学技術委員会の李明主任はかつて、研究開発を維持・拡大していければ、中国は世界で初めて実用的な価値を持つ宇宙太陽光発電所を建設する国になる見込みだと話していた。
筆者の調べによると、中国初の宇宙太陽光発電所実験基地の建設がこのほど重慶市で始まった。2021-25年の間に小中規模の成層圏太陽光発電所を建設し、発電を行う予定だ。2025年以降は大規模宇宙太陽光発電所システムの関連活動を開始する。西安市は宇宙太陽光発電所システムプロジェクト地上検証プラットフォームを建設し、宇宙太陽光発電所の機能及び効率の体系的な検証に用いる。
関係専門家チームの論証と提案に基づき、中国は今後十数年内に超高圧発電・送電及びワイヤレスエネルギー伝送の実証実験と検証を完了し、「2030年にメガワット級の試験的な宇宙太陽光発電所の建設を開始し、2050年までにギガワット級商業宇宙太陽光発電所を建設する能力をつける」という中長期目標の達成を目指す。(編集YF)
「人民網日本語版」2019年2月14日
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