中国人はたくさん稼いでいるのになぜ使おうとしないのか (2)

人民網日本語版 2019年08月05日11:22

しかし供給構造はこうした変化にタイミングよく対応できていない。程氏の分析によると、自動車消費が周期の底へと落ち込んで古い要素の急速な衰えを招いたと同時に、小売業態、高級構造、とりまく環境などの要素が消費の重心が急速に低下する現状に対応できていない。新旧2つの力が移り変わる中で空白期が生まれ、消費の原動力が一時的に不足することになるという。

▽質の高いサービスは供給不足

同じように供給サイドにも問題があり、消費者はサービス業に対して、「お金はあるが使うところがない」、あるいは「お金があるなら海外に行って使う」状況にある。

生活水準の向上にともない、中国の人々の文化・スポーツ・娯楽、旅行、教育、外食、家事サービス、医療・美容などのサービスへの消費ニーズがますます盛んになり、消費形態も実物消費からサービス消費へと急速に移り変わっている。中信証券が発表した研究報告によれば、今年上半期の全国国民の1人あたり平均消費支出のうち、サービス消費(教育文化娯楽+交通通信+医療保険+住居)の占める割合は約55%だった。

しかしこれと同時に、中国の消費型サービス業には今でも有効な供給の不足、供給の質の相対的な低さ、供給の構造的な不均衡といった突出した問題がみられる。たとえば健康サービス分野では、中国高齢協会の報告をみると、現在の中国健康サービス産業の生産額は総生産額に占める割合が1.7%しかないが、先進国をみると日本では5.9%、米国では6.7%になるという。

そこで大量のサービス消費ニーズが海外に流れている。多くの中国人消費者が韓国に行って二重の手術を受けようと思い、食べ歩きのためだけに日本に行こうとする原因は単純なことだ。こうした成熟した細やかなサービスは、中国では得られないので、自分の足で外に出かけていくしかないのだ。

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