日本文化のキャラクター産業チェーンをひもとく (3)

人民網日本語版 2020年01月21日11:14

「匠の心」が地方の特色あるキャラクター製品を生み出す

強大なアニメ産業はクリエイティブ製品のデザインに人材を送り込んでもいる。日本では、大規模な商業施設にも路地裏のストリートにも、さまざまなスタイルのクリエイティブ製品があふれ、その場に身を置けば手ぶらで帰るというわけにはいかない。特に一部の地方の特色が極めて強いクリエイティブ製品は、今や現地の「生きた名刺」のような存在になっている。

観光業では、各地の特色あるクリエイティブ製品が観光地の大小さまざまな店にずらりと並び、観光地もそれぞれの文化的背景や自然の景観を踏まえて、独特の風情のクリエイティブ製品を打ち出す。そのため、観光客は日本の観光地へ行くと、それぞれに異なるクリエイティブ製品を目にすることになる。同じ商品でも「地域限定」のマークがあれば、そこでしか買えない限定商品になる。

このようなクリエイティブ製品には食品、文具、おもちゃ、記念品などがあり、食品類の多くは現地の特色を備えた食材で作られ、パッケージは文化的特徴と地域のシンボルを際立たせたもので、その地方の特色がよくわかるようになっている。おもちゃや記念品は特色ある建築物や景観をキャラクター化したデザインが多く、親しみを感じるものとなっている。

日本の観光地のクリエイティブ製品は量を求めると同時に、質をより追求し、日本の「匠の心」が製品を精巧なものにし、その品質を確かなものにしている。

実際の暮らしをみると、日本では地域によって文化や風土・人情が異なる。自分たちの地域の特色を際立たせるため、一部の地域はマンホールのフタのデザインにも凝り、現地の特徴を紹介すると同時に環境の美化もはかる。日本各地の警察でさえそれぞれのキャラクターがいる。各地の寺や神社などの宗教施設のクリエイティブ製品も特徴があり、きれいな布などに包まれたお守りなどは、宗教的な願掛けという意味合いのほか、素敵な装飾品という側面もある。神社では守護神をキャラクター化するところも多く、たとえば京都の伏見稲荷大社は守護神の狐をイメージしたさまざまなデザインのクリエイティブ製品を打ち出している。

また日本では各地にゆるキャラがおり、可愛らしいゆるキャラには相当な経済効果があることが事実によって証明されている。各地のゆるキャラの中で最も有名なのは、おそらくここ数年大人気の熊本県の「しあわせ部長」ことくまモンだ。くまモンは最初はゆるキャラとしてデザインされ、同県に多くの観光収入や関連収入をもたらした。くまモンが可愛いイメージと独特のライセンス運営方式により、日本国内はもとより海外でも想像を超える人気を博すようになり、世界でも非常に人気のあるキャラクターになり、熊本県を世界に知らしめるようになるとは、最初は思いもしなかっただろう。(編集KS)

「人民網日本語版」2020年1月21日

最新ニュース

注目フォトニュース

コメント

| おすすめ写真

ランキング