日本の高齢者介護の新モデル 遠距離介護・介護シェアリング

人民網日本語版 2020年01月22日11:29

日本は世界でも少子高齢化が非常に深刻な国の1つだ。これに労働力の不足や若い人が東京などの大都市圏に集中するといった要因が加わり、高齢者の介護が、とりわけ地方に暮らす高齢者の介護が大きな社会問題になっている。新華社が伝えた。

ここ数年、日本の一部の地方では遠距離介護や介護シェアリングといったモデルが生み出され、高齢者介護をめぐる困難や生産年齢人口が高齢者の介護をする必要に迫られて辞職を余儀なくされるといった問題の緩和に一役買っている。

日本の高齢者介護の現実

日本の厚生労働省が発表した「介護保険事業状況報告」のデータをみると、2018年10月末現在、日本で介護を必要とする人は655万8千人に上り、40年には988万人に達する見込みだ。一方、介護の担い手は非常に不足しており、同省の試算では20年は約26万人不足、25年は約55万人不足になるという。

日本の公的介護保険がカバーする介護は、看護師や介護の資格をもった人が専門的な介護サービスを提供するというものだ。しかし財政負担がのしかかり、介護の範囲を拡大することはできず、ルールも複雑で、さらに介護人材も不足しており、多くの高齢者が必要なサービスを受けられずにいる。

同時に、家族の介護負担もどんどん大きくなっている。中国と同様、日本の社会でも「高齢者の介護は家族が引き受けるべき」という考え方は根強い。そのため、日本社会では、これまでずっと家族が介護の主な担い手だった。しかし日本の総務省の調査データを見ると、核家族化、晩婚化、少子化、単身世代の増加など家族形態の変化にともない、これまで介護の最大の担い手だった専業主婦が大幅に減少し、老老介護が増加し、子ども世代は介護の負担に耐えられなくなり、介護離職が増加し、高齢者虐待が増加し、若い世代には介護に対する恐怖心が芽生える、などの問題が出てきたことがわかる。

総務省の「就業構造基本調査」の統計データによると、12-18年には介護離職した人が毎年10万人前後に達し、社会と経済にとって非常に大きな損失となっている。

介護に関する意識調査によると、現在の日本の20代の若者は両親が老いて、将来に自分が介護を担うことについて「恐い」とか「想像できない」といった反応を示す。その原因として、この世代は小さい頃から両親と子ども、またはどちらかの親と子どもという家族の形で暮らす人が多く、高齢者と接する機会が少なかったことが挙げられる。

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