「倍返しだ!」が台湾でも流行 日本ドラマブーム再来なるか
香港紙「明報」は28日、「『倍返し』と『半沢直樹現象』」と題する記事を掲載し、「ドラマ中の名ゼリフ『部下の手柄は上司のもの、上司の失敗は部下の責任』は、日本の職場の裏ルール。半沢直樹の勇気ある行動は、ホワイトカラーの心の叫びを代表している。そのため、サラリーマンの大きな共感を呼び、驚異的な視聴率を記録した」と分析した。
同記事の主な内容は以下の通り。
1980年代の「おしん」や90年代の「東京ラブストーリー」など、日本の人気ドラマは東アジアや東南アジアでも大ブームとなった。しかし、過去10年は韓国ドラマが台頭し、日本のドラマに代わって最も人気となった。しかし、「半沢直樹」が最終回(9月22日)で平成の民放ドラマで最高となる平均視聴率42.2%(関東地区)を叩き出すなど、大人気となると、その人気は台湾などにも波及。ここ数年、影をひそめていた日本のドラマが巻き返しを実現する勢いだ。
「半沢直樹」は、バブル景気だった90年代初期に、銀行に入社した主人公の半沢直樹が融資課長となり、傲慢で不合理な上司や会社の制度に果敢に立ち向かう姿を描いている。
ドラマ中では「部下の手柄は上司のもの、上司の失敗は部下の責任」という名ゼリフが度々登場する。ドラマの中で、半沢直樹は上司の判断ミスで出した5億円の損失の責任を負わされる。実際には「上司の横暴」は、多くのホワイトカラーが経験しているものの、声を上げることはできず心の底で我慢しているのが現状だ。しかし、半沢直樹はためらわずに上司を批判し、5億円の回収を誓うだけでなく、自分を苦しめる全ての人に「倍返し」することを宣言する。半沢直樹の勇気ある行動は、ホワイトカラーの心の叫びを代表しているため、サラリーマンの大きな共感を呼んだ。
ホワイトカラーの心情を反映した同ドラマのストーリーは、日本の会社文化を浮き彫りにしているだけでなく、香港など東アジア地域の多くで共通する職場環境とも言える。そのため、台湾で10月に放送が始まると、瞬く間に大ヒットとなり、半沢直樹の名ゼリフ「倍返しだ!」が一気に流行した。
韓国政府主導で、韓国のドラマが日本やその他の国や地域に輸出されるようになって今年で節目の10年になる。「韓流」ブームが一段落し、日本のドラマのブームが起き、哈日族(ハーリーズー。日本の現代大衆文化を好む台湾人や中国人の若年層の総称)の再出現となるか、そして「半沢直樹」をきっかけに日本社会が自信を取り戻すことができるのか、今後の動向から目が離せない。(編集KN)
「人民網日本語版」2013年10月29日