第3回核安全保障サミットが24、25両日にオランダ・ハーグで開催され、53カ国の首脳や代表、国際組織の責任者が出席した。議長を務めたオランダのルッテ首相の招待で、まず中国の習近平国家主席が基調演説を行った。(文:蘇暁暉・中国国際問題研究所国際戦略研究部副部長。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
中国にとって核安全保障サミットへの首脳の出席は新情勢下における国際安全保障分野の重要な外交活動であり、習主席の明らかにした中国の核セキュリティー観は、核セキュリティー問題に対する中国の深い認識および同分野での国際協力の促進という積極的な意向を反映している。
中国は核セキュリティー観を打ち出す必要がある。1つには、中国は実力の強化と国際的影響力の高まりに伴い、核セキュリティーを含む重大な国際問題での立場や姿勢が幅広く注目されている。中国の政策動向を知りたいと望む国が増えている。もう1つには、中国は現在中国の特色ある大国外交の道を探っており、国際問題の処理により積極的に参画し、国際的アジェンダの設定を主導的に誘導していく。
中国には核セキュリティー観を詳しく説明する資格もある。国内では、過去50年余りの核事業は良好な核セキュリティー記録を保ち、国内法の整備に絶えず尽力し、核セキュリティー関連法の制定を進めている。国際的には国際原子力機関(IAEA)、ザンガー委員会、原子力供給国グループなど影響力ある不拡散枠組みに加入し、活動に積極的に参加し、役割を発揮している。早くも1988年にはIAEAと保障措置協定を締結。5つの核大国で初めて保障措置協定追加議定書を締結した。