中国、今年の大学卒業生は約700万人へ 一層の就職難
中国教育部(教育省)の公式サイトによると、同部の杜玉波・副部長は10日、今年の大学卒業生は前年比19万人増の699万人に達し、過去最高を記録する見込みと明らかにした。これにより、大学卒業生の就職は、熾烈な競争を極めることになり、中国政府も難しい舵取りが迫られるという。京華時報が報じた。
■求人は減少傾向
杜副部長によると、中国の就職状況は、経済成長の鈍化、就職希望者の継続的増加、構造上の問題などが圧力となり、大学卒業生を対象にした有効求人倍率が下降傾向にある。2月初めに、企業500社を対象にまとめた統計によると、2013年の新入社員募集人数は、前年同期比平均15%減になっている。
業界別に見ると、医療・衛生、コンサルティング、eコマース(電子商取引)、旅行、文化・スポーツなどの業界の求人が増加しているのに対し、鋼鉄や機械、採鉱、エネルギー、建築などの業界が減少している。また、調査・研究の対象となった大学200校のうち、60%が「就職は厳しい状況」と回答。多くの大学が、求人が「減少」、もしくは「明らかに減少」しているとの見方を示した。また、一部の卒業予定者も、心配や焦りを感じている。
■政府が雇用機会創出へ
同部は今後、国務院(政府)国有資産監督管理委員会や工業・情報化部(工業・情報化省)などと協力し、戦略性新興産業や最新の製造業、情報技術産業などの人材募集活動を計画するほか、国有企業の募集規模を積極的に拡大したり、人材備蓄を増加させたりする計画だ。また、農村に教師を送りこむ計画や大学卒業生を農村の役場などに派遣する計画、発展が遅れる中国西部に必要な人材を送る計画などを進める。
中国の大学卒業生は2009年、611万に達し初めて600万人の大台を突破、その後も10年630万、11年660万、12年680万と年々増加している。(編集KN)
「人民網日本語版」2013年4月15日