中国で不法外国人による事件頻発 その背後にあるものは?
オートバイに乗った外国人男性が中国人女性と接触事故を起こした事件は大きな話題になった。北京市警察当局が15日に明らかにしたところによると、この男性の所持する就労ビザは、勤務地点が実際の職場と合致しておらず、不法就労に当たることがわかった。警察側は同男性を拘留して罰金を科し、法に基づき本国に送還した。新華網が伝えた。
近年、外国人による事件・犯罪が中国で後を絶たない。例えば、列車の中で他の客の体の上に足を乗せる、酔っ払って街中で女性に乱暴するなどだ。こうした外国人は、不法入国、不法滞在、不法就労という「3つの不法」に当てはまることが多い。
鋭いネットユーザーはこう思うことだろう。「問題を起こす外国人の多くが『3つの不法』に当てはまるならば、こうした『不法の輩』はなぜ、どうやって中国に居座っているのか?」
▽中国語が全く話せなくても滞在可能
北京で20年以上にわたり生活している英国出身のドミニック・ジョンソン・ヒル(中国語名・江森海)氏は、Tシャツの店を経営し、合法な居留証を所有している。ドミニック氏によると、合法な資格を持たずに中国に滞在している外国人は少なくないという。
ドミニック氏は「接触事故を起こした外国人は氷山の一角。ニュースになり、警察に目をつけられたため、こういう結果になった。一部の外国人はできるだけ長期間中国に滞在するため、あの手この手を使って国をだまし、ビザを取ろうとしている」と流暢な北京なまりで語った。
中華人民共和国出境入境管理法によると、観光ビザを持つ外国人は最大60日間中国に滞在でき、ビジネスビザの場合は、更新すれば最大1年間滞在できる。就労ビザは2-3年で、期限がきたら更新できる。ドミニック氏の企業は外国人を雇っており、ビザ手続きを代行する資格も持っているため、多くの外国人がドミニック氏を通じて就労ビザを獲得しようとやってくる。「彼らは私の店で働きたいわけではない。できるだけ長期間の居留権を獲得したいだけだ。このようなやり方は違法と言える」。ドミニック氏はこうした要求を全て断ってきたという。
中国で6年間学ぶロシア人留学生の唯さん(中国名)は、「若者の多くは、すぐに腰を落ち着けるのではなく、中国に来て『チャンスを探したい』と望んでいる。中国にいる外国人の多くは、アルバイトで稼いだお金で中国を旅行して周り、お金が尽きたらまたアルバイトをするという生活を送っている」と語る。
唯さんによると、中国のビザを取得するのに言語面の要求はなく、全く中国語を話せなくても7-8年滞在している人もいるという。