国家安全生産監督管理総局の黄毅・報道官は9日、昨年11月22日に山東省青島市で発生した中国石油化工集団(シノペック)油送管爆発事故によって、62人が死亡、136人が負傷し、直接経済損失は7億5千万元(約130億円)に達したことを明らかにした。人民日報が伝えた。
黄報道官の談話内容は以下の通り。
国務院調査チームが取りまとめた調査報告書は、国務院から正式に批准されたことを受け、近く公表される見込み。今回の事故は、「業務上過失による事故」であると認定された。爆発の主な原因として、▽油送管と排水溝が交差する部分で、油送管の腐食が進み破裂、石油が漏れ出して排水溝に流れ込んだ ▽気化したオイルガスと排水溝の空気が混ざり合って燃焼・爆発しやすい気体が生じ、それが密封空間に集まった ▽現場作業員は、排水溝蓋の上で、爆発防止機能のない油圧クラッシャーを用いて穴をあける作業を行ったため、その時に発生した火花が排水溝内に流入した石油ガスに引火した――ことが断定された。油送管から原油が漏れ始めてから爆発までの8時間あまりの間に、漏れ出した原油から生じた混合気体が排水溝内で逆流して急速に拡散したため、広い範囲で連続して爆発が起こるという結果を招いた。
今回の事故において、特に問題視すべきものとして、次の4点が指摘された。
1.隠れたリスクを防ぐためのチェック機能が正常に働いておらず、責任の所在も明らかでなかった。特に、油送管と排水溝が交差する部分の重大な潜在リスクについて、入念な検査や整理改善対策が講じられていなかった。その責任の所在は、企業および政府監督管理部門にある。
2.緊急対応が十分に行われなかった。原油が漏れ出してから爆発が起こるまでには8時間あまりの時間的猶予があった。その間、企業も政府関連部門も、起こり得るリスクに対する的確な判断ができずに、迅速な封鎖・警戒措置を講じ損ね、周辺住民にも避難勧告を出さなかった。
3.法律に反した作業体制を敷いていた。現場作業員は、排水溝内の石油ガス測定が危険な作業であるという認識を持たないまま、爆発防止機能のない機器を使って作業を進めていたことが、爆発を誘発する原因のひとつとなった。
4.きちんとした計画・設計が立てられていなかった。事故発生時の建設計画は、極めていい加減なものだった。油送管と周辺の建物とは至近距離にあった。特に、油送管と排水溝の交差部分の工事計画は全く不十分で、重大な潜在リスクが存在していた。このことについて、設計部門と市政部門の責任は避けられない。(編集KM)
「人民網日本語版」2014年1月10日