中国では旧暦1月1日、つまり旧正月のことを「春節」と呼ぶ。中国の民間では最も盛大で、最もにぎやかな伝統的祝日だ。春節の歴史は非常に古く、その起源は商王朝(紀元前16から11世紀ごろ、「殷」とも)に遡る。元々、年末年始に神や祖先を祀った祭祀とされる。
春節の到来は、春がまもなく訪れることを意味する。森羅万象が息を吹き返し、草木が新たに芽吹き、種まきと収穫の新たな季節が、また始まろうとしている。凍える空と雪に閉ざされた大地、枯れた草木の果てしない厳冬を何とか生き抜いた人々は、暖かく花が咲く春が1日も早く訪れることを待ち望んでいる。新春になると、人々は自然と喜びに満ち、歌い踊りながらこの祝日を迎える。
春節には「過年」(年越し)という呼び方もある。「過年」には、人々に悪い運気をもたらす想像上の動物「年」を「やり過ごす」という意味もあるそうだ。昔の言い伝えによると、「年」がやってくると、木々は枯れ、草木はしおれた。そして「年」が行ってしまうと、万物が生き返り、花が地に溢れた。「年」をやり過ごすには、爆竹を鳴して追い払う必要があった。新年の熱気を盛り上げる爆竹の習慣は、こうした言い伝えによるものという。
伝統的には、春節は旧暦12月8日の「臘祭」、もしくは12月23日の祭竈(かまどの神を祀る儀式)に始まり、旧暦正月15日の「元宵節」まで続く。大晦日と1月1日に祭りは最高潮に達する。中国では、漢族や多くの少数民族が、春節に多種多様な祝祭を繰り広げる。祭りの大部分は、神仏を崇め、祖先を祀り、物を新調し、福を迎え、豊作を祈ることだ。祝祭は多彩な形式をとり、濃厚な民俗色に溢れている。
「人民網日本語版」2014年1月26日