春節(旧正月)は、歴史が古く、中国では一年で最も重要な祝日だ。春節の過ごし方は、数千年の歴史の中で、定着した風俗習慣として形成され、多くが今日まで伝わっている。
めでたい対句「春聯」
春聯(しゅんれん)は、年越しの前に玄関の左右に貼り付ける一対の長い紙で、それぞれ美しい筆跡で、めでたい文句が記されている。2つの文句は巧みな対句になっており、時代背景や素晴らしい新年への期待を読み取ることができる。都市でも農村部でも、春節を迎えるたびに、家々は選りすぐりの赤い春聯を玄関に貼り、祝日の喜ばしい雰囲気をさらに盛り上げる。
窓の切り絵と逆さまの「福」
一般庶民の家庭では、今でも切り紙細工「剪紙」が好んで窓に貼られる。年越しムードを高める「窓花」は、単なる飾りというだけではなく、芸術としての観賞価値も高い。切り紙細工は中国に広く伝わる民間芸術の一種で、千数百年前から人々に愛されてきた。切り紙細工は窓に貼ることが多いため、「窓花」とも呼ばれる。
玄関に春聯を貼るときに、家の扉や壁、門の横木に大小の「福」の字を飾る人もいる。幸福な生活への希望や素晴らしい未来への願いが託されている。さらに「ひとひねり」効かせ、福の字を逆さまに貼る人もいる。「倒(逆さま)」の発音は「到(到来する)」に通じるので、逆さまな福の字は、「福の到来」を表すという。
めでたい絵「年画」
年画は、中国の古い民間芸術で、庶民の素朴な風俗と信仰を反映している。春節に年画を貼り、人々が新年を祝う素晴らしい願いを託する。木版印刷技術の発展に連れ、年画の内容も、門を守る「門神」などの単調なテーマから、豊富かつ多彩になった。
中華民国が成立した1912年、上海の鄭曼陀という人が、カレンダーと年画を一体化させ、年画の新しい形式を生んだ。この方式は壁掛けカレンダーに発展し、現在に至るまで全国を席巻している。
「人民網日本語版」2014年1月26日