中国人民銀行(中央銀行)は15日、今年1月の金融統計データを発表した。この中でも最も市場の関心を集めたのは、同月の人民元建て預金の減少額が1兆元に迫ったというデータだった。それでは減少した約1兆元はどこに行ったのだろうか。「人民日報」海外版が伝えた。(1元は約16円)
▽季節的要因・春節の影響が主要因
同データによると、2014年1月に人民元建て預金は9402億元減少して、前年同月比2兆500億元の増加にとどまった。このうち住宅関連の預金が1兆8100億元増加し、非金融企業の預金は2兆4400億元減少し、財形貯金は1543億元増加した。
人民元建て預金が大幅に減少した原因について、同行調査統計司の盛松成司長はこのほど、主な原因は各機関の普通預金が大幅に減少したことにあると指摘した。減少の主要因は季節的な要因と春節(旧正月。今年は1月31日)の影響にあるという。
中国銀行金融市場部の寇さんによると、銀行は現在、年度末に預金の統計を行うため、年度末前は市場金利が高くなり、預金が短期間に大幅に増加する。年度末過ぎると、資金はまた流れ出ることになる。こうした季節的な変動はよくあることだという。
またある業界関係者によると、春節は1月の預金減少に非常に重要な影響を与えたという。
寇さんは次のように話す。春節に先立って企業・事業機関が社員に給与やボーナスを支払うため、一部の機関の預金が個人預金へと移動することになる。また年度末前には個人の消費需要が旺盛になり、現金が手元に置かれるようになる。こうしたことから、金融機関預金が減少したという。