次世代動画圧縮規格が商用化、HDの基準を再定義
中国動画サイトの迅雷看看は、最新の動画圧縮規格「H.265」をサポートするアップグレード版クライアントのリリースを発表した。同規格は今年1月に国際電気通信連合(ITU)で承認されたが、同規格を商用化した商品が公開されるのは中国初だ。人民日報が伝えた。
動画サイトのPPS網路電視もまた、このほど発表した「PPS影音V3.1.0」は、H.265規格をサポートする独自開発・国内初の体験版であると発表した。同サイトはさらに「臻HD」を同サイトのHDブランドとし、「インターネット全体で最高画質」のスローガンを掲げた。次世代動画規格が、普及に近づいてきた。
■技術
同画質の場合は必要なバンド幅が半分に、同バンド幅の場合は画質が2倍に向上
インターネット動画業界で広く採用されている動画圧縮・伝送規格は、2003年に発表された動画圧縮規格H.264だ。統計データによると、2012年末までに90%の動画がH.264コードを使用している。しかしながら、動画は高画質・高フレームレート・高圧縮率に向かい発展しており、H.264の限界性が表面化している。
北京大学コンピュータ科学技術研究所の孫俊准教授は、「2011年の世界データ総量は1.8ZB(ゼタバイト、データの量やコンピュータの記憶装置の大きさを表す単位)で、そのうち動画データが90%を占めた。ネット伝送・記憶のうち、動画が全体の66%を占めた。大データ時代における大量の動画の伝送・記憶の問題を根本的に解決する方法は、より高圧縮率・高画質の動画圧縮コア技術の発展だ。H.265はまさにこの時代に誕生した」と語った。
迅雷看看プレイヤーの技術総監、プロジェクト責任者の胡賀軍氏は、「H.265は高性能動画コードで、最新の動画圧縮国際規格だ。通俗的に言えば、H.265は効率の高い動画圧縮技術と理解することが可能だ。圧縮比が1000:1に達する場合も、その画面は映画館と同じように鮮明だ」と説明した。
胡氏はさらに、「例えば約100分間の動画の容量は、圧縮しなければ約1000GBだ。しかしH.265規格を使用すれば、これを1GBに圧縮できる。圧縮後の動画の画面は、映画館と同じように鮮明だ」と語った。
孫准教授は、「H.264と比べると、H.265の必要なバンド幅は同画質であれば半分になり、同バンド幅の場合は画質が2倍に向上する」と述べた。