2014年4月17日  
 

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嫦娥3号、月面で日食の試練を乗り越える

 2014年04月17日11:15
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 15日午後、今年初の皆既月食が観測された。月に滞在中の月探査機「嫦娥3号」の着陸機および月面ローバー「玉兎号」は、任務開始以来初めてとなる日食を迎えた。宇宙事業の専門家は本紙の取材に対し、「月食中は、宇宙機の観測・制御通信が影響を受ける。また温度やエネルギー面の試練を乗り越えなければならない」と説明した。科技日報が伝えた。

 中国航天科工集団公司第二研究院研究員の楊宇光氏は、「宇宙にはエクリプスと呼ばれる概念があるが、これは宇宙機、観測・制御ステーション、太陽が一直線上に並ぶことだ。その際、通信信号が太陽放射による影響を受ける。宇宙観測・制御は現在、主に無線電波を使用している。太陽の電磁波は帯域が非常に広く、観測・制御通信を妨害する。宇宙観測・制御通信は、両方向の通信だ。地球が太陽と月の間に位置する場合、地球の観測・制御ステーションが月面の探査機に発する信号は、太陽の電磁波と同じ方向から来ることになり、通信が妨害される。逆に、月が地球と太陽の間にあれば、月探査機が地球に返す信号が妨害される」と指摘した。

 楊氏は、「日食や月食だけでなく、宇宙機・地球・太陽の3点が直線に近づけば、妨害が発生する。この場合、最も重要な対策は、回避だ」と指摘。「太陽と月の運動は正確に予測でき、数千年前・数千年後も想定できる。歴史学者は日食に関する記載を基準として、ある歴史的事件の年代を確定している。嫦娥3号の着陸機と玉兎号は今回日食に遭遇したが、科学者はその正確な時間を導き出していた。妨害の発生を防ぐことは出来ないが、宇宙船の活動計画を事前に決定できる。妨害を受ける可能性がある時に、重要な動作もしくは重要なデータの伝送を回避できる」語った。

 嫦娥3号の着陸機と玉兎号は、月の夜のスリープ解除から間もなく、今回の日食を迎えた。午前になったばかりなのに、また夜を迎えたようなものだ。楊氏は、「探査機の位置する場所は、地球の影に数時間覆われるため、気温の急激な低下が生じる。しかし両機は月の昼・夜という極端な変化の状況にあわせて設計されており、この気温差への対応はそれほど問題ではない」と述べた。

 日食中には、探査機の電力供給システムも太陽エネルギーを失う。楊氏は、「エネルギーの問題を回避するため、動きを停止し、科学装置の電源をオフにすることで、エネルギー消費を抑えることができる。言うならばこれは両機に居眠りをさせるようなものだ」と話した。

 嫦娥3号の着陸機と玉兎号は、この試練を無事に乗り越えた。(編集YF)

 「人民網日本語版」2014年4月17日

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