中国初の月面ローバー「玉兎号」の故障に関する情報が伝わると、広く注目を集めた。玉兎号の「治療」は現在も進められているが、具体的な結果については今回の月の夜が終わり、玉兎号がスリープ状態を解除してから分かることになる。科技日報が伝えた。
中国航天科技集団第5研究院の専門家である厖之浩氏は、1月28日に独占インタビューに応じた際に、「月面の環境は非常に複雑だが、これは主に極端な気温差、強い電磁波、高真空、低重力、月の長い夜、無磁場、特殊な地形などによるもので、そのすべてが月面ローバーに大きな影響を与える可能性がある」と指摘した。
◆砂塵と電磁波が「健康の天敵」に
厖氏は、「月面探査機に異常が発生する主因は、複雑な月面環境である場合が多い」と語った。
例えば月面は太陽の紫外線の放射を受け、土壌の微粒子が周期的に上昇する。月の重力は地球の6分の1であり、月面ローバーは走行中に大量の微粒子を巻き起こし、砂塵を形成しやすい。砂塵は月面ローバーに搭載されている設備に入り、これを覆う可能性もある。これがひとたび付着すれば除去が困難で、かつ多くの故障を引き起こすことがある。これには機械の構造的なフリーズ、密封構造の失効、光学システムの敏感度の低下などが含まれる。