2014年6月19日  
 

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カメラマン・佐渡多真子さん「日中間のイメージのギャップを写真で埋めていきたい」 (3)

人民網日本語版 2014年06月12日16:42
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写真提供:佐渡多真子さん

■その後の人生を変えた深センで見た光景

―――― プロのカメラマンとして忙しい日々を送っていた佐渡さんが中国に興味を持たれたのは、何がきっかけなのでしょうか?

 私には華僑の友人がいて、93年に香港に遊びに行ったときに、「ここから船で1時間で深センに行けるから、行ってみたら?行ったらきっと印象が変わるよ」と勧められたんです。でも、その頃の私は中国に対して「暗くて遅れた国」というイメージを持っていて、人々は人民服を着てるんだろうなと思ってました。でも、実際に行ってみると、当時経済特区として開発された深センには高層ビルが立ち並ぶ近未来都市のような街が広がっていました。発展途上の街が持つエネルギーのうねりみたいなものを感じて、嘘、なんだこれ?って呆然とすると同時に、なぜこんなにも自分が中国に対して抱いていたイメージが違ったんだろうということに衝撃を受けました。

 それまでも16カ国ぐらいの様々な国に旅行や取材に行っていて、例えばヨーロッパやアメリカとかへ行っても、想像していたよりも規模が違うことはあっても、そのベクトルが違ったということはありませんでした。でも、中国の場合は、こう思っていたら、まるで違う方向へ行っていたというぐらいの差がありました。私は新聞を読むのが好きで、ちゃんと情報が入っているはずなのに、どうして中国だけはこんなにイメージが違っていたんだろうというのがすごく不思議に思えました。その時に、この国はちゃんと自分の目で見ないと駄目だなと思ったことを覚えています。

 あと、今でもよく覚えているのは、ランドマークタワーに上って私がびっくりしてその街の光景を眺めているときに、隣にいた華僑の友人が、「今まではずっと白人が黄色人種を雇う時代だったけど、これからは黄色人種である中国が白人を雇う時代になる。そうやってアジアは発展していく」と言ったんです。そのときは、まさか?と思いながら聞いてました。

 これをきっかけに中国に関する本を読んでみたり、中国に関心を持つ中で、仕事でも中国語圏から色んな監督や俳優が来日されて、皆さんの口からこれからは中国の時代だという言葉を聞くうちに、これは真剣に一度ちゃんと自分の目で見なきゃないけないと思ったことがきっかけです。この93年の深セン訪問から中国に対する思いや見方がぐっと変わりましたね。今思えば、あそこで深センに行ってなければ、私はその後中国に来ていなかったかもしれないし、まったく違う人生を歩んでいたかもしれないです。そのぐらい大きな衝撃でした。

―――― それで実際に中国に短期留学されたんですね。実際に自分の目で見た中国は如何でしたか?

 短期留学はわずか1カ月だったんですが、そこでも様々な衝撃を受けました。その期間、太極拳を習っていたのですが、英語の通訳で来ている北京大学の男子学生がいました。ある日、留学先の寮から窓を眺めていたら、その学生がたまたま下を通ったんです。ニイハオとあいさつしたら、僕?というふうに指で自分を指して、その頃は中国語は初心者なのでよくわからなかったのですが、恐らく、何してるの?と聞いてくれたんだと思います。そして、また、明日ねって、ごく簡単なやりとりをして帰っていきました。

 翌日、太極拳のレッスンが終わる頃に、彼は遅れてやってきました。本当は寝坊して来たくなかったようなのですが、昨日私と約束してしまったので、遅れても来てくれたみたいでした。誠実な人だなと思い、家庭教師をやってもらったりして、交流が始まりました。この学生もその周りの友人たちも本当に優秀な学生で、普段の会話でも、電話番号とか一切メモしないのにすべて覚えていたり、さすがに北京大学の人は優秀だなと感心した覚えがあります。

 この青年と様々な会話をする中で、日本で刷り込まれた自分の価値観や常識がボロボロと崩れていくという体験をしました。例えば、人権は大事だ、だから一人っ子政策なんてとんでもないという話をすると、彼はその頃の統計を具体的に例に出して、人権はもちろん大事だけど、人口が増えることで飢える人が出てくる。その頃の中国では人権よりも生存権のほうがより大事だったから、この政策はとられたんだと説明してくれるんです。それを聞くと私も、確かに人権の前に、生存のほうが大事でこの政策は正しいのでは?という気になりました。

 私は刷り込まれた価値観で、民主主義が一番いいと思っていましたが、もう一度改めて考えてみると、本当にそうなのだろうか?そういった今まで信じていたものが崩れていくのがすごく刺激的で楽しかったです。こういった交流を通じて、こんなに優秀な学生がいる中国は今後絶対に発展するに違いない、その過程を自分の目で見てみたいと思い本格的に留学することを考えました。


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