このほか、一部の国では政府債務が主に消費支出に充てられ、自己精算性に乏しいという特徴をもつのとは異なり、中国の地方政府の債務は主に社会経済の発展と国民の生活条件の改善に関わるプロジェクトの建設に充てられ、交通輸送、市政の整備といったインフラ建設が多く、キャッシュフローを生み出す巨額の優良資産を形成することが可能で、債務償還をある程度保障するものといえる。
だが償還期限を迎えていない債務にも、一定のリスクは存在する。国家発展改革委員会投資研究所の劉立峰研究員によると、多くの地方政府の債務償還資金は基金の収益、土地売却の収益といった予算外の収益によっている。今年に入ってから、一部の都市では不動産価格の上昇が止まって、値下がりしているところもあり、不動産市場の低迷ぶりは一部の地方政府の償還能力に影を落とすことが予想されるという。
賈所長は、全体的な局面に及ぶ債務危機は発生しないとみられるが、政府の財政収入の伸びが鈍化し、硬直的支出が増加する中で、一部の地域の債務リスクにはゆめゆめ油断してはならないと警告を発する。(編集KS)
「人民網日本語版」2014年6月23日