5月の早朝、三亜湾と永興島の間の海域で、鮮やかな赤と黄色に彩られた飛行機のような物体が、母船のクレーンにより海の奥深くに投じられた。北京日報が伝えた。
中国科学院瀋陽自動化研究所の兪建成氏は、「これは水中グライダーで、動力を用いず水中を1000キロ以上航行し、水深1000メートルまで潜ることができる。この60数キロの新型無人潜水器は、最も将来性の高い海洋環境調査設備と公認されている」と指摘した。
推進装置を持たない水中グライダーは優秀な波乗りで、潜水して間もなく人々の視界から消えてしまう。科学者はパソコンを使い合成した地理・座標システムにより、事前に設定した航路によりその方位を判断する。
兪氏は、「水中グライダーは、私たちが日頃使っている航空機とほぼ同じ形をしており、円柱型の機体を持つ。両側には力学の原理に基づく、浮力を強化できる翼を持つ。末端部には、可動式の、進行方向を制御できる垂直尾翼が取り付けられている。外見が似ているだけではなく、水中グライダーの航行の原理はグライダーとほぼ一致する。気流に乗って飛行するのではなく、水流を利用し航行する点だけが異なっている」と説明した。
黄色の機体の内部には、二つの最も重要な装置「姿勢調節装置」、「浮力調節装置」が取り付けられている。兪氏は、「水中グライダーは、姿勢調節装置によって重心の位置を変え、浮力によって航行する。ゆえに水中では常に水平方向に前進するのではなく、曲線を描くようにして航行する」と述べた。