中国人科学者が中心となり実施した、白菜、キャベツ、アブラナの全ゲノム解読プロジェクトが、段階的な重大成果を獲得した。白菜のゲノム解読の完了に引き続き、科学者はキャベツのゲノム解読と分析を完了し、これを踏まえた上でその他の近縁種の植物のゲノムとの比較を行った。その結果、異なる種・同じ種の遺伝子に、多層的かつ非対称な進化の法則が見出された。この研究成果はこのほど、世界的に権威ある学術誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」(電子版)に掲載された。光明日報が伝えた。
キャベツのゲノム解読は、白菜、キャベツ、アブラナなどアブラナ属の全ゲノム解読の一部だ。中国農業科学院油料研究所、野菜花卉研究所、華大遺伝子研究院は、国内外の関連機関と協力し、上述した成果を得た。
中国の主要な植物油原料のアブラナ(AACCゲノム)、主要な野菜の白菜(AAゲノム)、キャベツ(CCゲノム)はいずれもアブラナ属の作物で、アブラナは白菜とキャベツの交雑により誕生した。キャベツと白菜の共通の祖先である種には、3種類の相同遺伝子がある。キャベツ研究チームの技術担当者、中国農業科学院油料研究所研究員の劉勝毅氏によると、キャベツのゲノムには少なくとも4万5758個のタンパク質をコードするゲノムが存在し、白菜のゲノムと相似している。そのゲノムの大部分は、アブラナ科の近縁種であるシロイヌナズナのゲノムとの間に共線性の関係を持ち、ゲノムの進化に良好な材料を提供する。またキャベツのゲノムには、より多くの抗がん物質を生成する遺伝的基礎が含まれる。これまでの研究では、新鮮なアブラナ科の植物を食用することで、高い抗がん効果が得られることが証明されていた。その中でもキャベツの効果が最も高い可能性がある。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年7月11日