マクロ経済の研究者たちは、中国の産業構造のモデル転換やバージョンアップという大きな背景の下で、新エネルギー車産業を発展させることは、一連の生産能力が後れていたり過剰だったりする鉄鋼製造業、電池製造業、完成車設備製造業といった関連産業の再編を推進し、新たな経済成長源を育成することにつながるとの見方を示す。
13年に中国の自動車生産・販売はともに2千万台を突破した。巨大な潜在力をもつ市場は新エネルギー車を強く引きつける力がある。
複数の専門家が次のように指摘する。EVの発展は未来の技術の発展方向に合致し、充電設備は高速道路や水・電力ネットワークと同じく、国民の生活を基本的に保障するプロジェクトになる。
北京市が13年に行った調査によると、消費者の約4割が充電ポールを設置できないためEVの購入を諦めたという。最終的に購入した人のうち、居住するコミュニティ内に充電ポールが設置されているという人はわずか20%にとどまった。同市はこのほど、14年内に公共急速充電ポール1千基を建設するという計画をうち出した。
国家電網公司営業販売部の沈建新副部長は、「政府部門が産業計画を打ちだした後、対応する充電スタンド設備の建設計画が策定される見込み」と話す。
アナリストによると、中国は今後、充電設備建設への財政補助金の細則を明らかにし、充電インフラ建設の具体的な奨励方法や基準をうち出すとともに、統一的な充電価格と充電サービス費用の指導意見を制定し、充電設備をめぐる投資・運営・回収メカニズムをうち立て、社会資本の参加を促す方針という。
中国では、公共交通で使用される燃油を動力としたバスやタクシーが、都市の重要な大気汚染源になっている。全国の動力車全体の1.7%に過ぎないバスとタクシーだが、燃油消費量と排気ガス排出量はいずれも全体の27%を占める。
比亜迪(BYD)自動車公司の渉外部門の杜国忠マネージャーによると、公共交通の分野で新エネルギー車を優先的に発展させることは、化石エネルギーの消費を削減し、汚染を抑え、煙霧を減少させる上で、「小をもって大を制する」効果的な役割を果たすことになるという。