国家海洋局がこのほど発表した情報によると、中国第6次北極科学調査隊が5回目の短期氷上拠点作業を実施した際に、中米の調査隊が協力して曳航ブイを投入した。中国の北極科学調査において、中米が協力して曳航ブイを投入したのはこれが初となる。科技日報が伝えた。
チュクチ海北部の多年流氷から、曳航ブイが投入された。投入は約3時間半で完了し、水深約3600メートルに達した。
現場監督の李涛氏は、「流氷から投入された曳航ブイは、海洋物理学の研究で優れた成果を出している米ウッズホール海洋研究所が製造したもので、世界で最も先進的な流氷下の海洋物理データを収集する手段の一つとなっている」と説明した。曳航ブイは浮体、800メートルのケーブル、水中CTD(水温・塩分・深度計)によって構成されている。ブイは投入成功後、流氷の底から水深800メートルまでの海洋物理学断面データを、定位置で長時間に渡り収集し、イリジウムによりデータを同研究所に伝送する。同研究所はデータをウェブサイトで公表し、世界の科学者と共有する。
李氏は、「北極海の氷の変化を深く理解し、目標研究地点の海洋物理学のデータ・資料を獲得するため、中国海洋大学は同研究所と契約を結び、このブイを2基購入し、専門家を米国に派遣し半月間の研修を実施した。今回は米国の指導を受け、この2基のブイを正確に投入する予定だ。米国も1基のブイを投入する。このブイを使って得られたデータを、中国が北極の氷上基地で実施中のその他の研究と結びつけることで、北極海表層の太平洋海水、中層の大西洋海水の、北極海の氷の融解に対する作用・影響などの研究を進められる」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年9月2日