今から1年半前、マイクロソフトは、中国大陸部を除く全世界において、MSNメッセンジャーサービスを終了することを表明したが、ついに今回、中国市場においてもサービスを終了することとなった。2014年10月31日、中国におけるMSNメッセンジャーサービスは正式に終了する。北京晨報が伝えた。
マイクロソフト傘下のSkypeがMSNユーザーに送信したメールは、「これは本当のことです」という書き出しで始まり、MSNメッセンジャーサービスは2014年に10月31日に正式に終了するため、アカウントをSkypeに移行し、引き続き使用するようユーザーに提案した。
1年前、MSNでは「アカウント名が消えてしまった」「パスワードを盗まれた」「登録内容を変更できない」「ファイルを送信できない」さらには「友人を追加できない」といった様々な問題が続出した。MSNだけではなく、MSN(中国)が取り扱うその他各種サービスにも、多くの不具合が発生した。MSN(中国)は、メッセンジャーサービスの運営以外に、MSN中国語版サイトの運営、検索サービスBing、Windows8のプラットフォームに対応する各種オンライン広告業務を展開していた。マイクロソフト中国は1年前、「Windows8によって、PC、タブレットPC、携帯電話、テレビなどさまざまな端末を通じた各種ネットワークの融合を実現させ、Window8をユーザーがネットに接続するための窓口とする」という構想を抱いていた。ところが、Windows8に対するユーザーの評判はすこぶる悪く、マイクロソフトが業務戦略を二転三転させたことから、中国市場でのMSNメッセンジャーの価値は一挙に下がり、ついにはサービス終了という結末となった。
これとは別に、ライバルの急成長やモバイル通信に対する需要増も、MSNメッセンジャーの中国撤退を加速させた。マイクロソフトの広告新興市場担当副総裁は昨年9月、Skypeと微信(WeChat)は、今後、直接対決をする可能性があるかどうかについて、「現時点では何とも言えないが、我々は、中国でそのような事態が起こり得ると考えている」と話した。というものの、テンセントの第2四半期財務報告によると、微信の月間アクティブユーザーは4億3800万人、携帯QQの月間アクティブユーザーは5億2100万人にそれぞれ達している。これらの実績から見て、中国人ユーザーがとっくの昔に見向きもしなくなったMSNが微信と肩を並べることなど、到底無理だと予想される。
マイクロソフトは、MSNユーザーのアカウントをSkypeに移行することができると表明している。MSNメッセンジャーの現在のユーザー名でSkypeにログインし、すぐに使用することができる。また、現在登録されている連絡先も消失することはないという。(編集KM)
「人民網日本語版」2014年8月29日