通退勤ラッシュ時の北京市地下鉄の人の多さを知る人は、誰もが安全を懸念している。北京先進産業技術研究院は8月31日に、10件の最新技術を発表した。そのうち北京航空航天大学教授の苗俊剛氏が発明した「映像撮影型ミリ波人体保安検査装置」は見えない所からの監視が可能で、ガソリンや爆弾などの危険物を迅速に識別できる。このハイテクな発明は、来年に北京市の地下鉄で使用され、市民の安全を守ることになる。京華時報が伝えた。
中国の保安検査装置は、主に赤外線もしくはX線による画像化の手段を採用している。北京航空航天大学電子情報工学学院教授の苗氏は、「伝統的な保安検査装置では表面しか見て取れず、服に遮られる部分については調べられない。ミリ波はこれまで軍事、特にミサイルに多く使用されていたハイテク技術で、このたび民間への転用を実現した」と語った。
苗氏によると、この検査装置は見えない所からの監視が中心となる。2つのカメラが5メートルの距離をあけて設置され、検査装置のコマ数は毎秒24フレームに達する。検査エリア内を人が正常な速度で通過すれば、装置は爆発物が隠されていないかを自動的に調べることができる。海外にもミリ波検査装置があるが、その多くは写真撮影を中心としており、人をその場に立たせて撮影する必要がある。ゆえに中国のこの安全検査装置は、世界トップクラスに達していると言える。
苗氏は、「同プロジェクトは実験室内で、多くの危険物の検査を完了した。さらなる改良を経て、同装置の量産化に取り組む。来年にも北京の駅で使用を開始する予定だ」と述べた。
しかし同装置の使用は、現在乗客の手荷物を対象に実施している保安検査の取り消しを意味するものではない。今後はこの2種類の保安検査を同時に実施することになる。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年9月2日