中秋節を控え、月餅市場は予想通り世論の注目の的となっている。だが、今年の月餅市場では、例年には見られない密かな変化が生じているようだ。中国新聞網が伝えた。
〇敬遠される高級贈答用月餅 団体購入やギフト券の販売激減
中央紀律検査委員会が今年、公文書を出して中秋節と国慶節(建国記念日)の公金による月餅贈答という悪しき習慣を禁止したことを受け、これまで「高級贈答品」としてお高くとまっていた高級月餅の身分は、凋落の一途をたどっている。昨年の市場でかなり下落した月餅の売上は、今年さらに落ち込み、市場から姿を消す状況にまで追い込まれたブランドもある。
南方日報の29日付報道によると、広州市の月餅市場では、「今年の販売量は昨年比10%下落」と業界内で予測されている。販売価格は、コスト高の状況においても、10%下がっている。中秋節はまだ来ていないが、月餅の値引きはすでに始まっており、原価の2-3割という低価格で販売しているネットショップもある。
政府の施策によって、月餅の「過剰包装」が減少した以外に、「法外な価格の月餅」を贈答品として利用する風潮も効果的に抑制された。今年の市場では、大口の団体購入や月餅ギフト券の販売が激減の一途をたどる状況が定着してきている。消費構造の変化により、コストパフォーマンスが高い優良品質ブランドが、より多くの消費者に歓迎されており、単価が150元から300元(約2560円から5120円)の月餅が最も良く売れている。
〇従来の販売ルートは押され気味 ネットショップがスーパーを圧倒
ネット端末の普及に伴い、従来の月餅販売ルートは窮状に追い込まれている。スーパーマーケットやホテルの月餅販売量は年々低下している。それとは対照的に、ネットショップの月餅は爆発的な売れ行きを見せている。従来の実店舗は、ネットショップの盛況ぶりに次々と「感化」され、「一大商戦」に参戦している。金九、功徳林、咀香園、盛園祥などの月餅ブランドも、ネットショッピングサイト大手の天猫に公式フラッグシップ店を開店した。
また、月餅メーカー各社は、販売ルートを拡大し、より多くの消費者を獲得する目的で、大胆にも思い切った新マーケティング手法を導入している。「微信(WeChat)」などのSNSプラットフォームで月餅を販売する商店も多く、特に、一部の有名デザートショップや喫茶店は、微信や微博(ウェイボー)にアカウントを登録し、自社の特色ある月餅商品をPRしている。それらの店舗の多くは、実店舗で購入するよりメリットの多い特典を出している。