2008年以降、北京のイトーヨーカドーの業績が悪化を続け、今年に入ると2店舗が相次いで閉店して、北京市場における版図がますます小さくなっている。成都のイトーヨーカドーから異動して北京の華糖ヨーカドー商業有限公司の副董事長(副会長)兼総経理(社長)に就任した今井誠氏は取材に答える中で、「北京ヨーカドーは価格戦争に入れ込みすぎたことで、企業としての発展が制約された」と述べた。「北京商報」が伝えた。
北京ヨーカドーの最も好調な店舗の売り上げは、成都で最も好調な店舗の3分の1にとどまる。北京にある7店舗の業績を合わせても、成都の5店舗の半分にしかならない。北京ヨーカドーの前には危険な状況が横たわっており、5月には望京店が閉店し、3カ月後の8月には北苑店が閉店する予定だ。北京ヨーカドーは損失をくい止めるための調整策として、閉店を選ばざるを得なくなっている。今井氏によると、北京の残りの7店舗はすべて黒字とはいえず、将来的に閉店に踏み切る可能性は否定できないという。
今井氏は成都時代、イトーヨーカドーの総経理の職を任じていた。北京に異動後、北京の各店舗を視察した今井氏が最も強く感じたことは、北京の店舗は細かい点ばかり重視しているということだった。古くさいやり方を重視し、新しいモノやコトをつかまえる目が鈍っていた。北京ヨーカドーのこれまでを振り返ると、消費者は価格に敏感な消費者から価値を追求する消費者に変貌を遂げたというのに、北京ヨーカドーは価格戦に没頭していた。価格を重視するあまり、北京ヨーカドーはブランドや商品を選ぶ際、自ら制約を設けていたという。
今井氏は未来の変化について次のように語る。北京ヨーカドーは消費者に対するサービスの新鮮味ということを根本から考えなくてはならない。新鮮味を追求することで、サプライヤーとの協力モデルが変化し、一部のサプライヤーは提携業者に転換して、商品のデザイン、生産、販売など深いレベルで協力を展開するようになるという。また今井氏は北京ヨーカドーのトップと従業員が考え方を転換させ、これまでの価格戦略の縛りから自由になり、新しい経営モデルと経営理念を受け入れることを願うという。今井氏は、「理念は漠然としたもののようだが、理念を改めず今後もさらに資金を投入するなら、売り場環境の改善は表面的なものにとどまり、根本的な改善にはならない」と指摘する。(編集KS)
「人民網日本語版」2014年8月12日