2014年10月16日  
 

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安倍首相がプーチン大統領との会談を急ぐ理由 (2)

人民網日本語版 2014年10月16日14:26

 もちろん、安倍首相の企てはこれにとどまらない。懸案の北方四島(ロシア名・南クリル諸島)問題は安倍首相にとって胸のつかえのままだ。昨年4月以降、安倍首相はプーチン大統領とこの問題について5回直接会談した。だが、その後日本が対露制裁発動を選択したことで、苦心して行ってきた交渉は中断された。

 「北方領土問題解決を訴える日本国内の声は強い。安倍首相も就任後一貫して尽力し、これを外交上の重要なブレークスルー、成果とするこを望んでいる」。中国社会科学院日本研究所日本外交研究室の呂耀東室長によると、北方四島問題に関するロシアとの交渉を推進することが、安倍首相がプーチン大統領との会談を積極的に図っている、より長期的な目的だ。

 国内経済の成長圧力も、安倍首相が周辺国との関係修復を検討せざるを得ない理由の1つだ。「周辺関係の悪化によって、日本と周辺国との経済・貿易協力は減少し続けている。アベノミクスはすでに転換点に入った。周辺国市場の支えなしに、日本経済の持続的成長は困難だ」と周氏は指摘した。そして、ロシア極東市場はまさに安倍首相にとって経済・貿易協力発展の重要な突破口だ。

 ロシア産天然ガスへの依存も安倍首相が和解を切実に求めている理由の1つだ。ロシア水域に位置するサハリン2ガス田は、日本にとって安定した天然ガス供給源だ。「安倍首相は日露関係の緩和によって、ロシアの対日エネルギー供給を安定させることを望んでいる」と周氏は指摘した。

■誠意を欠き、修好は容易でない

 だが、立ち話であれ、正式な会談であれ、安倍首相とプーチン大統領は会うことができても、合意にはいたらないだろう。

 プーチン大統領も安倍首相と接触して、西側諸国からの制裁という外交的苦境を打開することを望んでいるが、両氏が会ってもこのところの日露関係の緊張をある程度緩和できるだけで、北方四島問題での進展は望めず、両国関係に具体的突破口を開くことも困難だとの認識で専門家は一致している。

 「プーチン大統領の安倍首相への最大の要求は対露制裁を止め、米国追従ではなく、独立した外交政策を遂行することだ」。周氏は、安倍首相はプーチン大統領との会談が実現しても、米国を始めとする西側諸国と同じ側に立ち、米国の統一的戦略を支持し、対露制裁を継続するとの見解を示した。

 すでに9月の内閣改造後の施政演説で安倍首相は「ウクライナの安定を確保するため、日本はG7を始めとする国際社会と一致団結し、できる限りの支援を行う」との立場を表明した。産経新聞の報道によると、日本国内には制裁に参加するだけでなく、世界の先頭に立って率先して制裁を科すべきとの声もある。

 「こうした中、ロシアが北方四島問題で日本に少しでも譲歩することはあり得ない」と周氏は分析。呂氏も「日露両国は将来互いに探りを入れる関係となり、多国間の場で適度の接触を行うと見られるが、相互訪問など重要な外交的進展を短期間で実現するのは困難だ」との認識を示した。

 「安倍首相にとっては、ASEM首脳会議やAPEC首脳会議といった多国間の場でロシアと二国間首脳会談を実現すること自体が、外交的ブレークスルーだ。安倍首相はこれによって日本が外交的に独立自主であり、完全に米国に追従しているのではないとの印象を与えるとともに、その外交を周辺国に認めてもらうことを望んでいるだけだ」。呂氏は「ロシアなど周辺国との外交関係を解決する問題において、安倍首相は真の誠意を示していない」と指摘した。(編集NA)

 「人民網日本語版」2014年10月16日


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